INTERVIEW

Cross Talk:MAKOTO×YD 新たなラウドフェス“FURIOUS WORLD FEST 2024”が繋ぐハードコア×メタルコア

4月14日に大阪Yogibo META VALLEY、HOLY MOUNTAINで新たなラウドフェス『FURIOUS WORLD FEST 2024』が行われる。このイベントはMAKOTO(SAND)とYD(Crystal Lake)を中心にFAR EAST ENTERTAINMENT INCとBrightside Bookingがサポートに付く。
新たなハードコアとメタルコア/メタルのフェスであり、その初回としてアメリカからSuffocation、Sworn Enemy、Zuluの3バンドも参加する。
ハードコアとメタルコアは実に近いシーンのように感じられるが、そう言えば完全にクロスオーバーしたイベントはこれまでになかったような気がする。それを実現させるMAKOTOとYDにイベントの真意を聞いてみた。

Text: Ryo Tajima(DMRT)



ハードコアとメタルコアのシーンがクロスオーバーする場所

ーまずは『FURIOUS WORLD FEST 2024』がどんなフェスなのか、というところからお伺いしたいのですが、主催はMAKOTOさんとYDさんのお2人になりますか?

MAKOTO:オレたち以外にもう2人いて、基本的には4人で主催している形になります。ただ、ブッキングの内容などもあって、結果的には自分とYDが中心になっていったところはありますね。

 

YD:そうでしたね。最初、MAKOTOさんと会話をしているときに、このままだとメタルコアとハードコアのクロスオーバーがなくてもったいないよねって話題になったんですよ。オレは今でこそメタルコアのシーンを中心に活動していますけど、そもそもCrystal Lakeはハードコアシーンの出身だし、Super StructureやDoggy Hoodsといったバンドをやっているわけなので、メタルコア、ハードコア、双方の良さを身体で理解している。それを各々のシーンが好きなオーディエンスに体感してもらって日本のシーンをより面白くしたいと思っていますし、それを具体化する場所を作りたいと、MAKOTOさんと話していて思ったんです。そこがイベントのコンセプトですね。

 

MAKOTO:そうだね。ハードコアシーンには排他的なところもあって、間口を絞っていくのは簡単だけど、純度100%ハードコアにこだわって、いつものメンツで楽しくやるのも好きだし悪くないんだけど、そればっかりだと、総じてシーンが先細っていく可能性が高くなるので、この企画ではメタルコアとハードコアお互いのシーンのカッコいいところに目を向けてやってみたら面白いんじゃないかと思って。そもそも“音的”に考えると、ある角度からは親和性の高い音楽だと思うし、想像していなかった面白い融合が生まれるかもしれない。海外のヘヴィーミュージックのフェスのラインナップ見ても、ハードコア、メタル、メタルコアなどは多いですしね。そういう流れもあって、今回の『FURIOUS WORLD FEST 2024』は普段と違う遊び方をしてみようって感じですね。

SAND

 

YD:MAKOTOさんはこれまでにHIPHOPとハードコアをミックスさせたり、カルチャーをクロスオーバーさせることをやってきた人だし、自分もDIYでイベントやツアーをやり続けてきたんですけど、なんかこう日本独特の狂った空気感が生まれる場所がコロナ禍以降少なくなったなと感じていたんですよね。最近、音楽の交わりが減ったなって。そんな中で、MAKOTOさんのようなキャリアを持つ人がリアルな視点で考えてやるイベントというのは絶対に今だからこその面白さがあるし、自分にとっても筋の通った意義あることなんですよ。だからこそ、今回の『FURIOUS WORLD FEST 2024』は自分たちで主催して、そのイベントの意味合いを自ら言葉にして日本に発信したいと考えたんです。海外のバンドも3バンド出演しますけど、このイベントが海外から見て「日本でこんなことが現場で起きているぜ」っていう風に映ったらいいなと思います。

YD(Crystal Lake)


ージャンルをクロスオーバーさせるという意味で、MAKOTOさんが、ハードコア×HIPHOPではなく、ハードコア×メタルコアを選んだのはなぜですか?

MAKOTO:ここ最近だけど、いろいろ模索してるときにメタルコアとのイベントが現実味を持ってイメージできたんで。もちろん過去にHIPHOPとクロスオーバーさせたフェスを継続してやっていた時期もあるし、今でもHIPHOPの現場には友達が多いのでよく遊びに行くけど、一緒にやったときに何が起こるのか? という具体的な光景を思い浮かべたときにメタルコアは良い雰囲気がビジョンとして見えたんで。今は。そういう感覚は大切にしたいし、今のタイミングならこれかなーと。できることを実現させていきたいと思って。まぁ、自分の感覚だけの話ですけど。


MAKOTO(SAND)


シーンだけではなく国境や世代もミックスさせたフェス

ーそういった考え方が『FURIOUS WORLD FEST 2024』に出演するラインナップに反映されていると思います。今回のテーマでもあるハードコアとメタルコアのクロスオーバー感を示しているバンドの組み合わせはどこになりますか?

YD:前提としてあるのがジャンルのクロスオーバーと共に世代を交差させるってことなんです。コロナ禍以降、特にメタルやメタルコアの界隈中心で活動しているバンドが、SANDをはじめとしたリアルなハードコアバンドと共演する機会は多くないと思っています。今回自分が声をかけたバンドがハードコアバンドのアティテュードに対して、時間を共有することで、何か少しでも刺激になってほしいというのが狙いです。東京からは自分がやっているSuper StructureやSaigan Terrorを呼んでいます。この辺りもオレが今もハードコア、メタルが大好きでライブハウスにいるっていう自負があるゆえのラインナップですね。現場でバンド同士を繋げたいという気持ちがあって、お互いにとってのきっかけになればいいなと。メタルコアの若手勢や普段メタルコアのシーンを中心に遊んでいるオーディエンスには、全身全霊でライブをしているリアルなハードコアマインドを持ったバンドたちの生き様を見てもらいたいと思って各バンドにオファーしました。

 

ーMAKOTOさんにとって、今YDさんが名前を挙げたメタルコアの若手勢は比較的初対面に近いというか、『FURIOUS WORLD FEST 2024』が初の深い交流の場になりそうですか?

MAKOTO:そうなりますね。

 

YD:音楽はじめ、人間の繋がりというのは、ライブでぶちかまして『こいつヤバいな、このバンドカッコいい』という原始的な感覚が大切だと思っています。見せかけの関係やそれっぽさっていうのは実際には響かないし、最終的には人間だと。間違いなく今回のイベントはガチンコ勝負の場であり、同時に出会いの場なんです。全身全霊で全員が混じり合って、そこから新たなコネクションが生まれたら本当に最高です。

 

ー『FURIOUS WORLD FEST 2024』はお客さんだけではなく出演するバンドにとってもガチンコ勝負になる?

MAKOTO:それはそうですよ。ステージに上がったら当然キャリアなんて関係ないから。もちろん、いつもですが、自分はしっかりと座組を考えてすべてのバンドに不平等がないように運営の仕方、タイムテーブル、会場のいろいろなものの配置を相当考えます。どうやったら、この時間の、このバンドが最高潮に良くなるのか、お客さんが何も気にせず最高に楽しめるのかなど。隅々までYDと連日連夜協議しています(笑)。もうね、アホなん? てゆうレベルまで。ある種矛盾してますね。全出演者が最高の状態になるようにギリギリまで精一杯考えるけど、最後は○し合いみたいな(笑)。 

 

YD:そうですね。あと、運営という点でいくと、自分たちの考え方や感覚をしっかりと伝えるためにポスターも自分たちであーだこーだ言いながら作って、仲間のチームやショップに配ったりしているので。どうやってPRするかをMAKOTOさんと話していても、そのパッションに喰らいますよ。裏で話している考え方や、実際にやっている細かな作業も全部公開して、そのスタンスをシーンに知らしめたいくらいです(笑)。

 

MAKOTO:実は一生懸命やればできる子なんです、私(笑)。普段、あんまりSNSとかで発言しないかもね。ネットでアレコレ言うタイプではないかな。直接友達としゃべったり、インタビューとかは話しやすいんだけど。

 

ーアメリカから参加するバンドも実に楽しみです。レジェンド枠のSuffocation、Sworn Enemyは久しぶりに観れるファンにとっては垂涎ものです。そこにZuluといった話題の次世代バンドも参加するわけですからたまらないですね。

YD:国内だけではなく、招聘するアメリカのバンドもメタル、デスメタル、ハードコアといったところが混ざり合っていたら面白いっていうことを念頭に考えたときに、うまくタイミングが合って音楽的にもベストだったのが、Suffocation、Sworn Enemy、Zuluだったんです。Sworn EnemyはちょうどMAKOTOさんに連絡がきていたんですよね?

 

MAKOTO:そう。ギターのJeffから「一緒に東南アジアかヨーロッパ(!? だったか)ツアーをしないか」ってお誘いのメールが来て、今SANDは楽曲制作中で、海外ツアーをやる時期じゃないからって断って。それで「話は違うんだけど『FURIOUS WORLD FEST 2024』ってのをやるけど出る?」って誘ったんです。Zuluは普通に「こういうFESTをやるんだけどどうかな?」って話をしたらすぐ「行く」って返事をくれて。

 

YD:Zuluはイベントのラインナップを考えている初期から名前が挙がってましたね。今熱いバンドの1つとして呼びたいって話をしていて、それが叶った形です。

 

ーそして、DJとしてはVERDY SOUNDSまで参加するということで、いよいよミクスチャー感が増してきましたね。

MAKOTO:そうですね、混ざってた方が絶対に面白そうだったんで。なんか友達全員呼びました、みたいになっちゃったけど(笑)。冗談はさておき、繰り返しになるけど、HIPHOPといってもいろんなものがあると思うんだけど、ラッパーのステージだけではなく、今回のようなチルアウトスペースでのDJで一緒に飲んだり、音楽を楽しんでウダウダできれば、これまた角度が違う感じ、楽しそうでアリだなって思いまして。

 

YD:会場のYogibo Meta ValleyとHoly Mountainも友達ですからね。骨の髄まで繋がっている人と一緒に開催するイベントなんで、各セクションに無茶しか言ってないですよ。そんな風に協力してくれる仲間たちが全員ちゃんと繋がっているところもすごく意義があることだと思っています。


Crystal Lake
 

トラウマになるようなすごいライブを観てほしい

ーチケットに関しては15歳以下がフリー(無料)で、高校生が3000円、学生が4500円とリーズナブルで入りやすい点もユースには嬉しいポイントですね。

YD:みんな感じていると思うんですけど、コロナ禍以降チケット代がすごく上がったじゃないですか。それが適正価格だと自負はしているけど、少ない小遣いをやりくりしてライブに来ているヤツらもいると思うし、そういう若い連中をいかにこのシーンに来やすくするのかがテーマだと思っていて。若い子にもっと来てほしいと自分が考えているなら、いっそフリーにしたり、買いやすい値段にすればいいんじゃないかって思ったんです。

 

MAKOTO:若い子にもこういったカルチャーに触れてもらいたいって思っていて。オレは自分が経験したことしか話せないけど、10代の頃にこの音楽にいきなり出会って衝撃を受けて。それからというもの、ずっとライブをやったり、イベント企画をやったりしてきて。そのうちにアメリカやヨーロッパといった海外にライブしに行く機会もあって、そこでとんでもない面白い経験したり、繋がった海外の人々と、音楽以外のカルチャーや、思想や哲学、歴史や戦争、差別の話なんかもしたりもする。そんな生の経験ができる可能性を秘めた素晴らしい音楽だと思っています。今回のだと、NYはクイーンズ発のOGはどんな音出すのか? はたまた、アメリカ西海岸の若手最注目Zuluはどんなライブをかますのか。そんなのが一堂に会するんだから想像したらワクワクしますね。若い人には、最近の、あのユーチューバーは再生回数がすごいとか、炎上商法はビジネスだとか、フォロワーの数が多いからすごいとか、ヤンキーの喧嘩イキリ大会に出たら人生変わるとか、ダサいことばっか言ってないで、せっかくの人生なんだから音楽などを通して、もっと素晴らしい有意義な経験をしてほしいです。今の若い人たちは世界中のヤツらと音楽をやったほうがいい。なんか広義な話になっちゃったけど、本当にそう思います。


YD:それは本当にそうですよね。ハードコアもメタルコアも懐の深い音楽だし、そこに衝撃を受けていろんな考え方や生き様を知っていくことになったんで。繰り返しになりますけど『FURIOUS WORLD FEST 2024』はそういう誰かにとってのきっかけになればいいと思います。そうやってハードコアやメタルコアの面白さを改めて体感して自分の生き様としていけるヤツがいたらいいと思いますね。

 

MAKOTO:そうだね。ユースに対しては、スマホの中でなんでもわかった気になって完結させちゃうんじゃなくて、生の現場で何かに出会って狂ってほしいと思う。アメリカやここでは一体何が起こっているのか、本質とは何なのか、あの友達が言ったりやったりしてることはダサイのかイケてるのか、学校の教科書にはああいう風に書いてあったけど、実際アメリカの若者にはどう見えてるんだとか。そういうところにも目を向けさせてくれる音楽だと思うし、めちゃくちゃ激しいライブなのに、反面リリックは物事の洞察力に優れている思慮深い面も持ち合わせてたりするハードコアバンドもたくさんいる。『FURIOUS WORLD FEST 2024』でそんな音楽に出会ってみたらいいんじゃないかと。一生のトラウマになるようなライブを体感してください。真顔で真面目なことばっか言っちゃったかもしれないけど、結局はこの1日を楽しんでもらえれば、それが最高かな(笑)。

 

INFORMATION
"FURIOUS WORLD FEST 2024"
4月14日(日)Yogibo META VALLEY / HOLY MOUNTAIN
■出演者(A to Z)
Crystal Lake / Edge Of Spirit / DEVILOOF / Gates Of Hopeless / HIKAGE / LAST DAY DREAM / SABLE HILLS / SAND / SAIGAN TERROR / SHADOWS / SUBLIMINALS / Super Structure / Suffocation (USA) / Sworn Enemy (USA) / TEMPLE / TIVE / Universe last a ward / Zulu (USA)

15歳以下 Free
Adv
高校生 ¥3,000 / 学生 ¥4,500 / 一般 ¥7,500 / VIP ¥12,000
Door
高校生 ¥3,000 / 学生 ¥5,500 / 一般 ¥8,500
https://eplus.jp/sf/detail/4055170001-P0030001