INTERVIEW

RAD ENTERTAINMENT×JAILHOUSEの強力タッグにより2025年3月15(土)・16(日)の2日間に渡りAichi Sky Expoにて初開催されるパンク・ラウドフェス「RUMBLE×JAG 2025」。開催に向け、ENTHのダト・ダト・カイキ・カイキをキュレーターとした対談企画を届ける。今回の対談相手はKen Yokoyama。初開催となる「RUMBLE×JAG 2025」にKen Yokoyamaが出演する意味とは。大トリを務めるENTHに託すものとは。「RUMBLE×JAG 2025」開催直前、ダト・ダト・カイキ・カイキとKen Yokoyamaこと横山健の対談を決行。「RUMBLE×JAG 2025」まであと僅か。

Interview by 柴山順次（2YOU MAGAZINE）
Photo Taio Konishi

 

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-今年より愛知県にて「RUMBLE×JAG 2025」という新しいフェスが始まるのですが、健さんはオファーを受けて最初に何を感じましたか？

横山健：JAILHOUSEの武内吾郎がついに動くかと。武内吾郎というのは名古屋のJAILHOUSEというイベント会社の社長なんだけど、俺はもう30年間に渡って吾郎さんにお世話になっていて。だから「吾郎さんがやるんだったらやるよ」って二つ返事。それくらい吾郎さんが動くのを待っていたのかもしれない。

-健さんと吾郎さんの関係性は「横山健の別に危なくないコラム」でも以前書かれていましたよね。

横山健：うん、そう。あの人は俺に凄く力を与えてくれた人で。この話、長くなっちゃうかもしれないけどいい？ Ken Yokoyamaの1st TOURの初日が名古屋だったの。その前にフェスに1本出させて貰ったけど、実質自分名義のライブって名古屋のクアトロが初めてで。その時のライブが酷い出来たったの。なんせフロントマンである自分がどうしていいんだか分からなくて、みっともないライブをしちゃって。それで物凄く落ち込んだんだけど、そんな俺を見て吾郎さんが「健くん、そんなことしている場合じゃないよ。あなたには力があるんだ。やるしかないんだ。」って言ってくれて。あの吾郎さんが言ってくれるってことはそうなのかなって、ふっと思えたの。じゃあこの先沢山ライブを重ねて、恥をかいて、形を作っていこうって思えたんだよね。今でも俺は色んな人に色んな声を掛けて貰って、その都度励まされるんだけど、吾郎さんのあの一言は俺にとって忘れられない言葉なんだよね。物凄く恩を感じている。でもさ、オチがあって、この話を吾郎さん本人は全く覚えていないのよ。
ダト：あははは。
横山健：俺はこんなにばっちり覚えているのに「そんなこと言ったかな？」とか言ってさ（笑）。

 

-「RUMBLE×JAG 2025」はJAILHOUSEとRAD ENTERTAINMENTの共催なのですが、健さんが吾郎さんに対する想いがあるように、ダトさんも綿谷さん（綿谷“wata”剛：RAD ENTERTAINMENT）に対する想いもあるのではないですか？

ダト：僕はR.A.Dでバイトもしていたので最初は無口で厳しい嫌な上司って関係性から始まったんですけど、その頃はENTHも特にTRUST RECORDSに入るとかそんな話も全然無くて。なんなら他のレーベルの先輩たちがR.A.Dに来たら「CDを出させて下さいって言ってこい」みたいなことも言われていたくらい。そこから始まって「FREEDOM NAGOYA」が大高緑地でやるようになった1回目からずっとボランティアスタッフをしたり、「FREEDOM NAGOYA」のオーディションを受けて出演する道筋があったり、その後TRUST RECORDSに入って「FREEDOM NAGOYA」のメインステージに立たせて貰ったりトリをやらせて貰ったりっていう全ての流れをかなり近い距離で見てくれている人なので、さっきの健さんの吾郎さんじゃないですけど、綿さんが動く場所にはENTHも当たり前にいるよって感じです。

-色んなタイプのフェスがあって、バンド主催のフェス、ライブハウス主催のフェス、イベンター主催のフェスと様々ですが、「RUMBLE×JAG 2025」でいえばJAILHOUSEの吾郎さんとRAD ENTERTAINMENTの綿谷さんの顔がはっきり見えているフェスだと思っていて。

横山健：うんうん。

-そんな「RUMBLE×JAG 2025」、実はダトさんも暗躍しているのですよ。

横山健：暗躍！？
ダト：制作というかブッキングを僕も手伝っていて。友達のバンドに声を掛けたくらいですけど。初回の打ち合わせで吾郎さんに「どういう色にしたらいいと思う？アドバイスをちょうだい」って言われて。「そこ、僕が決めていいんですか？」みたいな。
横山健：でも今の話を聞いて直感的に凄く良いと思った。要するに業界の裏方が決めるだけじゃなくて、そこに第一線で活躍しているプレイヤーであるだいぽんの意見を聞くことって、もしかしたら裏方の人たちってプライドがあって聞けなかったりするんじゃないかなって気もするんだけどさ。そこはやっぱり吾郎さんだな。まただいぽんに聞くっていうのも良いね。

-健さんはENTHにはどんな印象をお持ちですか？

横山健：自由で、生意気で。でも誠実。生意気と誠実って相反するような気がするでしょ。なんだけれども、そこがENTHは同居していて、それがそのままENTHのキャラクターになっている気がする。
ダト：やば。滅茶苦茶嬉しいんですけど。

-逆にダトさんは健さんにどのような印象をお持ちですか？

ダト：どうもこうも、 横山健です。
横山健：あははは。
ダト：初めてお会いしたときも自分がずっと見てきた横山健そのままだって思いました。僕が好きなバンドマンのスタイルってステージの上と下で区切りない人が好きなんですけど、健さんは本当に健さんのままステージに立っているんだなって。あとさっき健さんがENTHのことを相反する生意気さと誠実さが同居するって言ってくれましたけど、健さんもおふざけとシリアスが同居していると思っていて。それはステージを見ていた頃よりも実際に会ってお話させて貰うようになってより感じますね。

-お二人が初めて会ったのはいつ頃ですか？

横山健：最初っていつだっけ？ 
ダト：健さんのツアーで長野CLUB JUNK BOXに呼んで貰ったときだと思います。
横山健：だいぽんと2人で写真を撮ったときだ。
ダト：そうです、そうです。僕もその日のことは凄く覚えていて。絶対に少しもビビらずにいつも通りのENTHを見せつけてやるぞって思っていたんですけど、健さんが自分のライブのギリギリまで来ないかもってPIZZA OF DEATHのスタッフさんに言われて。それならそれで緊張しなくていいやと思ってライブを始めたら、健さんがめっちゃ袖で見てくれていて。「健さん、おる！」ってなった瞬間ナオキ（ENTH）なんて力み過ぎちゃって、アンプかギターのピックアップもへたっちゃって、それが気になるからまた力むみたいな。結局僕たちはああいうのをちゃんと食らうんだなって（笑）。なんか一生懸命すかして「別に先輩とか緊張しねえし」みたいなスタンスでこいていたんですけど、しっかりちゃんと食らうっていう。そんな日でした（笑）。

-健さんがENTHをツアーに誘ったのは何がきっかけだったのでしょうか。

横山健：多分スタッフの推薦があったからだと思う。俺自身もレーベルをやっているけど、中々若いバンドでどのバンドが勢いがあるのか、どのバンドがかっこいいのか、言葉を選ばずに言うとマジでやっているのかっていうのは分からないの。だから色んな人に意見を求めるんだけど多分ENTHはスタッフの推薦で「いま名古屋で滅茶苦茶元気なバンドがいる」と聞いてブッキングして貰ったんだと思う。

-実際にENTHのライブをご覧になって如何でしたか。

横山健：俺、実はその最初の長野の日はさっき言ったようにだいぽんと写真を撮ったことしか覚えていないんだけど、多分その日のライブでENTHとは今後も一緒にやれるなって思ったんだろうね。それくらいから俺の口からも「ENTH、ENTH」って出るようになって。これもさっき言ったけど、音楽は当然真面目にやっているじゃない。真面目って言うと変だけど、音楽家だからそりゃそうだよね。だってパン屋さんが真面目にパンを作らないのって嫌じゃない。だから音楽家として、バンドとして、凄くしっかりやっているなって印象があって、でもそれだけでは人は来ないことを分かってやっている人たちだなっていうのは凄く感じたかな。

-バンドって真面目じゃないと出来ないですよね。

横山健：本当にそう思う。真面目って言うと言葉が固いから、もしかしたら真面目って言葉じゃないのかもしれないけど、ちゃんと懸けていないと出来ない。だって何人かでチームを組んでやる共同作業なわけでしょ。ちゃらんぽらんの奴は絶対出来ないよ。定期的に練習に入ったり、新曲を作ったり、この先のプランのことを考えたり、そうやって真剣に向き合っていないと継続出来ないのがバンドで。でもそれを必死こいてやっているだけじゃ駄目だと思うのね。それはさっきのパン屋さんがパンを作るのと同じで、何の商売をしていても当たり前なことでさ。「必死にやっています。必死に練習しています。良い曲を書いて良い演奏をします」なんてバンドにとっては当たり前のことで、それを売りにしていては駄目だと思うのね。じゃあそれをどう壊すかっていうのを、ちゃんとENTHはやっているんだと思う。壊すというか、どう自分というキャラで塗り替えるかかな。

-そういう意味ではENTHの良い意味での自由さはスパイスになっていますよね。

横山健：ロックンロールの良いとこってそこだよね。難しいことを簡単にやってのけることがロックンロールの一番の醍醐味だと思っていて。それをENTHはキャラで表現していると思う。

-ナオキさんなんて本当にちゃらんぽらんじゃないですか。

横山健：ちゃらんぽらんだね（笑）。

-でも音楽に対して滅茶苦茶真っすぐなんですよね。それはギターを弾く姿を見れば一発で分かるというか。

横山健：この前ENTHと一緒にやったときなんてさ、楽屋でナオキが俺にブライアン・セッツァーの話をしてきて。なんかそれだけで嬉しくなっちゃったんだよ。当たり前なことなんだけど「ナオキ、音楽が好きなんだな」って。「健さん、俺ブライアン・セッツァーが好きなんですよ」とか言ってギターを弾き出すんだよ。あれは凄く嬉しかったなあ。

-「RUMBLE×JAG 2025」のラインナップはご覧になりましたか？

横山健：最初に発表された4バンド以外誰が出るか知らない。どんなバンドが出るんだっけ？ああ、凄いね。ひとつ知らないバンドがいるな。ス、スパ？なんて読むんだろう。
ダト：SPARK!!SOUND!!SHOW!!、健さん、知っていますよね？（笑）。
横山健：あははは。でも凄いね。カラー的には「SATANIC CARNIVAL」なんだけど、みんながみんな幕張に来れる訳じゃないし、これを中京地区でやることに意味があるんじゃないかな。

-メインステージとして「GOROGORO STAGE」「GIZAGIZA STAGE」があって、サブステージとして「GIRAGIRA STAGE」があるのですが、その「GIRAGIRA STAGE」には基本的には若手バンドが出演するんですよ。

横山健：おじさんもいるね。

-真っすぐNOT REBOUNDを指差していますけど（笑）。

横山健：あ、BACK LIFTもいるじゃん？メンバーは見つかったの？KICHIKUの弾き語り？
ダト：KICHIKUの弾き語りは大事故ですね（笑）。
横山健：この辺りのブッキングをだいぽんが暗躍したのかな？
ダト：僕が声を掛けたのはAge FactoryやSPARK!!SOUND!!SHOW!!やCrossfaithのような同世代のバンドですね。
横山健：なるほどね。
ダト：世代で言うと多分4世代あると思うんですよ。
横山健：俺たちがひいお爺ちゃんでしょ。locofrankやHAWAIIAN6がお爺ちゃんか。ENTHたちがおじさんで、「GIRAGIRA STAGE」に子供とお爺ちゃんがいる感じかな。この面子、よく集めたね。
ダト：ここにNOT REBOUNDやTHE BOOGIE JACKがいるのが名古屋のフェスって感じがしますよね。THE BOOGIE JACKは僕が中学生の頃、初めてライブを見に行ったバンドなんですよ。
横山健：そうなんだ。そういう意味では猛烈な名古屋レペゼンなんだね。名古屋にはthe原爆オナニーズというとんでもないレペゼンバンドがいるけれど、NOT REBOUNDやTHE BOOGIE JACKがその次を担っているんだろうね。

-これだけのラインナップの中、大トリがENTHなのが素晴らしいなと。

横山健：俺もそう思った。素晴らしい。
ダト：基本的に普段どのフェスに出るときも「真ん中がいいな」ぐらいにしか思っていなくて、出番が早いと酒を飲むのも辛いし、遅いと酒をセーブしないといけないしみたいな、そんな感じなんですけど、やっぱり大トリを任せられたからには、ちゃんとイベントを締められるライブをやらなきゃなと思っていて。「RUMBLE×JAG 2025」はバンド主催のフェスではないから、冠がないだけにどのバンドがトリをやってもおかしくないじゃないですか。そこを任せてもらったので、まだどういうライブをしようか定まってはいないんですけど、さっき健さんが言ってくれたような、ふざけている自分と誠実な自分のせめぎ合いが自分の中でいま起きています（笑）。
横山健：どっちにしても凄い経験になるんじゃないかな。
ダト：今まで先輩たちの後に自分たちがライブをすることがほぼ無かったので、まだ全く想像がつかないんですけど、名古屋をレペゼンし続ける地元の先輩もいる中で、ENTHを認めて貰う日にしたいと思っています。どんなフロアになるんだろう。
横山健：大丈夫、なるようにしかならないよ。あまり重く考えないでもいいんじゃないかな。ただ背負っているものはでかいと思うよ。俺ね、フェスで色んなバンドがラインナップされてさ、それを駅伝みたいにタスキを繋いでいく感覚が全く無いの。だって俺らは俺ら、君らは君らだから。そういう結構ドライな考えなの。なんだけれども、フェスとしては、物語があったり、裏方の人たちの思いがあったりするでしょ。それが全部「RUMBLE×JAG 2025」の最終日のENTHに圧し掛かってくるの。
ダト：うわあ。
横山健：でもさ、そんなの軽く跳ね返してやってよ。
ダト：「この土地にENTHあり」ってライブを見せてやるぜって思っていたんですけど、いざ健さんと話してその重みを感じたら、やっぱり重いですね。
横山健：重いよ。だってそれだけの意味があるから。これが他のバンドじゃなく、ENTHが大トリを務めることに意味があるんだから。名古屋で始まるフェスの1回目として、これが吉と出ようが凶と出ようが、どっちにしろ凄い経験になると思う。
ダト：こんな機会、二度とないかもしれないので、先輩たちに負けないライブをするだけです。
横山健：BRAHMAN、強いよ？
ダト：知っています（笑）。
横山健：10-FEET、凄いよ？ 
ダト：それも知っています（笑）。
横山健：でもさ、これ本当に見れば見るほど凄いね。初日はKUZIRAがトリなんでしょ？そこもJAILHOUSEとRAD ENTERTAINMENT の気合いを感じるな。
ダト：本当に。
横山健：あれ？なんか日本の宝も出ていない？
ダト：思いっきり自分の写真を指差しているじゃないですか（笑）。

 

RUMBLE×JAG 2025

開催日 : 2025/3/15(土)・16(日)
開催場所 : Aichi Sky Expo展示ホールA
開場/開演 : 10:00/11:00
チケット代 : 1日券 ¥7,700 / 2日券 ¥14,000
主催 : RAD ENTERTAINMENT / JAILHOUSE
企画制作 : RAD ENTERTAINMENT / JAILHOUSE

3/15(土)出演アーティスト 
＜GOROGORO STAGE / GIZAGIZA STAGE出演＞
The BONEZ / Crossfaith / Dizzy Sunfist / FOMARE / KUZIRA / Maki / NOISEMAKER / OVER ARM THROW / ROTTENGRAFFTY / SCAFULL KING / SHADOWS / SHANK / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / ハルカミライ
＜GIRAGIRA STAGE出演＞
THE BOOGIE JACK / May Forth / SHE'll SLEEP / SideChest / Some Life / the奥⻭'s / かずき山盛り 

3/16(日)出演アーティスト : 
＜GOROGORO STAGE / GIZAGIZA STAGE出演＞
10-FEET / Age Factory / BRAHMAN / dustbox / eastern youth / ENTH / G-FREAK FACTORY / Hawaiian6 / Ken Yokoyama / KOTORI / locofrank / Paledusk / ヤバイTシャツ屋さん 

＜GIRAGIRA STAGE出演＞
VII DAYS REASON / BACK LIFT / GOOD4NOTHING / Knosis / Northern19 / NOT REBOUND / POT 

一般発売：https://w.pia.jp/t/rumble-jag2025/

 

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