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live report

G-FREAK FACTORY Pre “山人音楽祭2021 Day1” LIVE REPORT!!

Report by 山口智男
Photo by 青木カズロー

 

2021.12.4
G-FREAK FACTORY Pre“山人音楽祭2021”Day1
@高崎芸術劇場 大劇場

 G-FREAK FACTORYが16年から(前身のGUNMA ROCK FESTIVALを含めれば、12年から)地元・群馬で主催している「山人音楽祭~LOCAL×RHYTHM~」が2021年12月4日と5日の2日間にわたって開催された。

 コロナ禍の影響で2年ぶりとなった今回は、これまでのヤマダグリーンドーム前橋から会場を、高崎芸術劇場 大劇場に移して、出演バンドも各日4組と、これまでとは違う形での開催となった。

 「上州事変」と題した1日目は、(出演順に)FOMARE、LACCO TOWER、ROGUE、そしてG-FREAK FACTORYという群馬出身の4組が、そして「関東事変」と題した2日目は(出演順に)OAU、MONOEYES、HAWAIIAN6、そしてG-FREAK FACTORYという関東出身の4組が出演した。

 主にライブハウスを拠点としているバンドがホールでライブを行うことも含め、ある意味イレギュラーとも言える開催になったことについて、G-FREAK FACTORYのフロントマン、茂木洋晃(Vo)にも葛藤があったようだ。それでも開催した理由は、後述するように彼自らステージで語ったとおりだが、新たな可能性も含め、大きな成果を残した2日間の模様を、各バンドの熱演はもちろん、それぞれにステージで語った熱い言葉の数々とともにレポートしたい。

1日目は「この形でやることは、なかなかないということで、歴史的なライブになります。新しい1ページになります。山人音楽祭2021、始めます!」という群馬出身のラッパー、NAIKA MCの開会宣言とともに幕を開けた。

 

「(イスから)立っていいすよ! 山人1発目。群馬のFOMARE始めます!」

 観客の拍手が迎える中、アマダシンスケ(Vo, Ba)が声を上げ、FOMAREの演奏は前のめりの8ビートとノスタルジックかつ、おおらかなメロディの組み合わせが何とも、らしい「君と夜明け」で始まった。ホールという環境にこれっぽっちも臆することなく、3人は広いステージを動きながら、代表曲の数々を披露していく。

 山人音楽祭の前身と言えるGUNMA ROCK FESTIVALに1回目から足を運んでいることと、その時に衝撃を受け、芽生えた衝動は今も変わらないと語ったアマダは「(今日は)G-FREAK FACTORYから教えてもらったことを全部出したい。自信満々に群馬のFOMAREとしてやっているんで、今度は俺たちが影響を与える番だと思ってます!」と宣言。

 中盤では、フォーキーな「タバコ」、バラード調のラブソング「長い髪」をじっくりと聴かせ、ただやんちゃなだけじゃないバンドの魅力も見せつける。この日、「長い髪」には、直に歌を聴きたいと思っている人に直に歌を届けられるライブに対するバンドの思いが込められていた。

「時代が変わっても、そういう場所を大事にしてほしい!」

 山人音楽祭ならではの空気がそうさせるのか、アマダの言葉にもいつも以上に力が入る。

「俺は山人のファンです。G-FREAK FACTORYのファンです。みなさんと同じです。こんな素敵なフェスが群馬にあり続けるように、自分たちにできることをやって守り続けたい!」

 そんな思いとともに最後に演奏したのがFOMAREのライブハウス賛歌「愛する人」。本来なら観客をシンガロングに巻き込むアンセミックな曲調もさることながら、声を出せない観客の代わりにメンバー3人が声を重ねる熱演で客席を大いに盛り上げたのだった。

 

「山人ルーキーLACCO TOWER参ります。」とサウンドチェックからそのまま本番になだれこんだLACCO TOWERは、歌謡曲を思わせるメロディと曲によってはラウド・ロックの要素もあるエモーショナルなロック・サウンドが魅力の5人組。自分たちの曲のカラーを、黒と白に大きく分ける彼らはこの日、はじめましての観客が多いはずだからと考えたのか、聴き手の胸を抉るような“黒い”曲ではなく、爽やかなロック・ナンバーの「薄紅」をはじめ、“白い”曲の数々を披露。それでも曲が進むにつれ、キーボーディストがキーボードの上で観客を煽ったり、ギタリストがくるくると回転したり、ベーシストがステージを左右に走り回ったり、ぶっ倒れたりと奇矯さでも魅せるライブは、いつも通りのLACCO TOWERだ。

「お手を拝借(と手拍子を求める)」

「(拳を挙げさせ)そんなもんか?もっと!もっと!」

そんなふうに煽りながら、曲を一気にたたみかけ、観客を自分たちのペースに巻き込んでいくステージ運びには、ただならぬ気迫が感じられたが、最後の最後に松川ケイスケ(Vo)が語った、今回、山人音楽祭に出演する思いを聞き、誰もがそれもそのはずと思ったことだろう。

松川曰く、13年のGUNMA ROCK FESTIVALに呼ばれてから8年間、G-FREAK FACTORYから声がかからなかったことが寂しかった。

「だから、ローカルでやりたいと今回、声をかけてもらえてうれしかった。自分たちがやってきたことを見てもらえていたんだなと感じた。G-FREAK FACTORY、ありがとうございます!」

 LACCO TOWERは14年から、群馬でI ROCKSというロックフェスを開催してきたが、この日、ライブの冒頭で松川が言った「ずっと同じように戦ってきた」という言葉は、 G-FREAK FACTORYにならって、自分たちのフェスを開催しつづけ、守りつづけてきた誇りの表れだったのだろう。気合が入らないわけがない。

「忘れられないから愛しいという歌を最後に歌います。ここからまた続くように。愛しつづけるように」(松川)

 ラスト・ナンバーは、彼らの“白い”イメージを象徴するような爽やかで、せつないロック・ナンバー「青春」。最新曲でライブを締めくくったところに前進しつづけるバンドの矜持が感じられた。

 

 BOØWYと並ぶ群馬のロック・シーンのレジェンド、ROGUEはこの日出演したどのバンドよりもデカい音を鳴らしながら、いまだロックが不良の音楽だった80年代の匂いをぷんぷんと漂わせ、唯一無二の存在をアピールしたのだった。

 4年ぶりに山人音楽祭に帰ってきたROGUEはまちがいなく今年の目玉の1つだった。「上州事変」と掲げ、ラインナップを群馬のバンドだけで揃えるなら、彼らの存在は欠かせなかっただろうし、13年に23年ぶりの復活を遂げてからの彼らの活動(については、改めて書く必要はないだろう)が今、この時代に人々に与える影響を思えば、それはなおさらだ。

 ロカビリー調の「MY HONEY」、ブルージーなところもあるパンク・ロックの「GOOD TIMES」の2曲をまず演奏したところで、奥野敦士(Vo)が言った「やっと会えたな」という言葉に加え、「2年も歌ってなかったんだな。やっと会えた。泣きそうになっちゃったよ。君たちに捧げます!」と披露したのが、《世界で一番愛してる君のために歌を唄おう》と歌う代表曲中の代表曲「LIKE A MOON」だったことからもバンドもまた、このステージに立つことを楽しみにしていたことが窺えた。

 前橋市から功労賞をもらったことを観客に報告した奥野に、メンバーの中で見た目が一番とっぽい香川誠(Gt,Cho)がすかさず、そんな柄かよと言わんばかりに「何に功労なの?」とつっこむ。「知らね。パラリンピックに出たから偉いんでしょ?(笑)」と人ごとにように答えた奥野がその開会式に自分と「布袋ちゃん(布袋寅泰)」が出演していたことに言及して、群馬出身のロック・ミュージシャンの活躍を誇らしげに語ると、大きな拍手が!

 後半戦は、「危険信号」「DANCE DANCE」とアップテンポの2曲をたたみかけ、さらに盛り上げる。FOMAREやLACCO TOWERから先輩と呼ばれるG-FREAK FACTORYの茂木が先輩たちの演奏をステージの袖から見守っている姿が印象的だった。

「しつこい茂木のおかげでこのステージに上がりました。前は河原(の横のステージ)だったけど、今日は屋根があってよかった(笑)」(香川)

「酷い扱いされたんだよな(笑)」(奥野)

 彼ららしい言葉の選び方で、今回、声をかけてもらったことに対する感謝を述べると、来年6月18日と19日に昨年延期した自分たちのイベント、GBGBを開催することを発表したのだが、「G-FREAKにも出演してもらいます」(香川)「あいつらだけ野外のステージでな!(笑)」(奥野)と、かわいい後輩をイジることももちろん忘れない大先輩のユーモアに思わずニヤリ。

 ラスト・ナンバーは、ROGUEの代名詞と言える「終わりのない歌」。不安に怯える気持ちを曝け出しながら、《いつかは雨も止むだろう》と歌うパンチラインが胸に染みる。ある意味、クリシェかもしれないその言葉をリアルなものにしているのは、その言葉を信じて歌いつづけてきた奥野らバンド自身の活動だ。87年に発表した楽曲のメッセージが34年の時を経てもこんなに響くなんて。楽曲を生き永らえさせるのは、やはりバンド自身なのだという紛れもない事実に胸が熱くなった。

 

 1日目のトリを飾ったのは、もちろんG-FREAK FACTORYだ。群馬のバンドだけをブッキングしたこの日のラインナップについて、「地元のバンドの、ふだんならまずない(組み合わせの)パズルみたいなのを見たくて、来てくれたんだろ」と茂木は語ったが、そのパズルをもっと楽しんでほしいと考えたのだろう。群馬出身の津軽三味線奏者、上原梅弦とROGUEの香川誠とともに繰り広げたジャム・セッションからG-FREAK FACTORYらしいサイケデリックなミクスチャー・ロック・ナンバー「REAL SIGN」になだれこんだ彼らのライブは、さまざまなコラボレーションも楽しませるスペシャルなものとなった。

 もちろん、G-FREAK FACTORYが持つ圧倒的な演奏力―――と言ってしまうと、テクニックだけの話に聞こえるかもしれないから、茂木が歌に込めたメッセージ、スピリットも含め、こう言い換えよう。圧倒的な人間力を見せつける「Too oLD To KNoW」「Fire」ももちろん見どころには違いなかった。しかし、思わず転倒してしまうほどの熱演を見せた香川とともに演奏したROGUEの「OVER STEP」のカバーやFOMAREのアマダシンスケを迎えた「らしくあれと」という2曲が、どれだけレアなものだったかを考えると、やはり一番の見どころはその2曲となるんじゃないか。

 一度、上京しながらやっぱり群馬がいいと帰ってきたFOMAREの郷土愛を茂木は称えた。貴重なコラボレーションを目撃できた観客はラッキーだったと思う。

「この2年間、俺たちに与えられた言葉は、耐えろ。でも、絶やすんじゃないでした。めちゃくちゃ難題です。ひたすら耐えた。でも、俺たちが絶えてしまうと思って、誰に聞いても無理という中で、年内に山人音楽祭やりますと約束しました」

 これまでとは違う形での開催に踏み切った理由を語った茂木は同時に言葉の中に、それが葛藤の末の苦渋の選択だったことを滲ませた。しかし、この日、出演した3組と自分たちの熱演と、それをしっかりと受け止めた観客の反応が、パズルの最後のピースが埋まらないもやもやを吹き飛ばした――それは「突貫工事(のような開催)だから、どこまでできるかわからない。でも、見てくれよ!(この景色を)」という茂木の快哉からも明らかだった。

「(マスクを含め、いろいろ規制はあったけれど)今回の空気の共有ができました」

 本編の最後を締めくくったのは、観客全員が茂木の言葉とバンドの演奏を受け止めようと手を挙げたバラードの「ダディ・ダーリン」と「一番思い出になる山人音楽祭になると思います。大事な日につきあってくれてありがとう」という茂木の感謝の言葉。

 そして、アンコールに応えたバンドは、さらにもう1曲、「日はまだ高く」を披露。その際、「群馬のバンド、捨てたもんじゃねえな。すげえよ。これからはローカルの時代が来るんじゃねえか。そうあって欲しい」と茂木は他の3バンドのメンバーをステージに呼び込むと、軽快なレゲエ・ビートに合わせ、全員でジャンプ。それは、もちろん観客も!

「跳べ!跳べ!跳べ!」

 1日目の終演を飾ったのは、会場中に響きわたる茂木の歓喜の声だった。 




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