INTERVIEW

EGG BRAIN「THE BEST」&「EVERLASTING」INTERVIEW!!

Interview by Chie Kobayashi

EGG BRAINが結成15周年を記念して再録ベストアルバム「THE BEST」と3rdミニアルバム「EVERLASTING」を同時リリースした。この2作についてはもちろん、バンドのこれまでと現在、そしてこれからについても、3人にたっぷりと話を聞いた。

結成半年で立ったBIGCATのステージ

──結成15周年を記念して再録ベストアルバム「THE BEST」と3rdミニアルバム「EVERLASTING」が同時リリースとなりました。まずは15年間を振り返っていただきたいのですが、バンドのターニングポイントを挙げるとしたらいつになりますか?

JOEY(Vo, Gt):1つ目は2007年の大阪・BIGCATでのライブ。10-FEETのツアーで、ROTTENGRAFFTYが出ることは決まっていて、オープニングバンドとして選んでもらって出演させてもらいました。確か、そのときに初めてデモ音源を作ったんですよ。

──むしろ、デモ音源もない状態でBIGCATに出演が決まったんですか!?

KUN(Ba, Vo):はい、結成してまだ半年やったんで。グッズのTシャツもなかったですからね。

JOEY:そのライブをきっかけに、特に関西でのライブの動員が増えたので、ターニングポイントですね。

──ちなみにそのライブ自体のことは覚えていますか? 

JOEY:はい。終わったあとに冷静に反省したのを覚えています。お客さんが煽ったら煽った分だけ返してくれる感じやったんで、「もっと煽ったらもっと一体感作れたのになー」って。

KUN:僕もバッチリ覚えていますよ。それまでは10~20人くらいの前で、ほとんど友達みたいな人たちの前でしかやったことなかったのに、全然知らないライブキッズの前だったんですけど、僕らのSEが流れたら、会場がすごい湧いてくれたんです。「今からロットン出てくるって勘違いしてないかな」って思ったことを覚えています。胃がひっくり返るくらい緊張しましたね。でも反応がすごく良くてうれしかったです。

Uchie(Dr):俺はまだEGG BRAINのメンバーじゃなかったんですけど、そのライブは10-FEETとROTTENGRAFFTYが出るから観に行っていて。EGG BRAINともその前の月に対バンしていたから、「オープニングにこの間対バンした子らおる!」って。EGG BRAINのライブは盛り上がってましたよ。最初のターニングポイントを目の当たりにしてるんですよね。

──まさかそのあと、加入してバンドの15周年を迎えているなんて。

Uchie:1ミリも思ってなかったですね(笑)。

──BIGCAT公演が1つ目のターニングポイントだとすると、次のターニングポイントはどこになりますか?

KUN:Uchieさんがサポートし始めたとき(2009年)ちゃいます?

JOEY:確かにメンバーチェンジは大きな転機かもしれへんな。

Uchie:俺も人生のターニングポイントやしな。急に電話かかってきて。「ちょっとドラムサポートしてくれません?」って。

KUN:前のドラムが脱退して、翌週には京都大作戦があって、その先にもいろんなバンドのツアーが決まっていたので、とにかく慌てていて。

JOEY:藁をもすがる気持ちで……「Uchieくんならやってくれる!」と思って電話しました。

──そのとき、のちに正式メンバーになるとは思っていました?

Uchie:いいえ(笑)。ただ、相当切羽詰まってるんやろうなっていうのは、ふたりから伝わってきたから、サポートとして叩こうっていう気持ちしかなかったですね。

 

再始動後は取り戻す」の一心で

──以降にもターニングポイントはありますか?

KUN:活動休止から再始動のタイミングですかね(2015年5月10日活動休止、2019年1月に再始動第1弾シングル「Start From Scratch」をリリース)。

──側から見ていると、やはりそこが一番大きいターニングポイントかなと思います。再始動してくれたのももちろんうれしかったですけど、再始動後の活動のペースが早いというか、再始動してからアクセル全開な感じが、いちリスナーとしてはすごくうれしいなと思っているのですが、再始動後のモチベーションというのはどのようなものなのでしょうか?

JOEY:3人のベクトルが定まらなくなってきた感じがあって活動休止をしたんですけど、その間にバンド以外の世界に触れて3人とも視野がすごく広がった。そういう中でもう一度メンバーと会って「今やったら3人で一つの方向に向かっていける」という感覚になったから再始動して。そこからは「取り戻すぞ」という気持ちだったので、攻める感じで行きたいねと言っていたので、そのまま……今に至るという感じです。

──休止前と再始動後では、バンドに対する考え方やモチベーションは違いますか?

JOEY :変わりましたね。よりメンバーを尊重しあえる関係になっているかなと思います。

Uchie:より話し合う感じになったよね。もちろん意見が食い違うこともあるけど、最終目標がみんな一緒なので、道筋は違っても話し合って折り合いをつけられるように。まあ、大人になったってことかな(笑)。

──みんな一緒の最終目標というのは?

Uchie:バンドとして大きくなる。それぞれ個人の目標はあるけど、バンドとしては、バンドを大きくして、関わる人みんなを幸せにしていけたらいいなと。

KUN: EGG BRAINというバンド、組織を良くしていく行動を各々がとっていけば、それがずっと続くことが一番いい状態だなと思っています。そういう行動を各々が取れている限りは続けていきたいですね。

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あのときの「Just seventeen」よりカッコいいの録れるかな

──そしてこのたび、15周年を記念して再録ベストアルバム「THE BEST」がリリースされました。再録するにあたって、印象が変わった曲などあれば教えてください。

Uchie:さっき2007年はまだメンバーじゃなかったという話をした通り、1枚目「What's gonna come out」、2枚目「So Far, So Good」って、俺は叩いてないんです。だから今回、再録というよりも、1stアルバム、2ndアルバムの曲に関してはファーストテイクの気持ちで録りました。そういう意味ではやっと自分の叩いている形のものが作れたなという認識かな。それまでは“俺のほうが長く叩いているけど、音源は俺のドラムじゃねえ”っていうジレンマがちょっとあったんだけど、今回これをリリースすることで、自分自身がきちんとEGG BRAINとしてやれているというのを再認識できた感じがあります。

JOEY:楽器や演奏の部分って変化や違いがわかりづらいと思うんですけど、声ってダイレクトにわかりますよね。だから特に「SEVENTEEN」「CROSS THE SKY」の、いわゆるEGG BRAINの代表曲と言われている曲を録るときはけっこう緊張しましたね。あのときの「Just seventeen」よりカッコいいの録れるかなって。

──ボーカル面は、ご自身では変わってると思いますか?

JOEY:そうですね。多少は……。

KUN:いや、確実に変わってます(笑)。まず歌い回しが変わってる。あとライブアレンジとして構築しているときからそうなんですけど、微妙に譜割も変わっていて。僕はコーラスとしてあわせて歌っていたので、改めて過去の音源を聴いたら「全然違うやん!」って。でも2022年バージョンというか、新たなものとして認識しています。リスナーさんはきっと過去の音源を聴きこんでくれているから「うわ、変わっちゃった」って最初に思うと思うんです。でもそりゃ15年も経ってれば絶対に変わってるんで。だからどっちが好きとかじゃなくて、新たな「SEVENTEEN」として聴いてもらえたらいいなと思います。別物ですから。

JOEY:過去のに寄せるのも違うしね。

KUN:実は僕は最初、再録反対派やったんです。どういう意味を持たせればいいのかわからなくて。でも結果的には作ってよかったです。むしろ15曲じゃ全然収まりきってないので、もう一枚作りたいくらいです(笑)。

 

10代、20代の子の思い出がフラッシュバックするような音楽に

──同時に、3rdミニアルバム「EVERLASTING」もリリースされました。ベストアルバムと同時にリリースするということは意識して作ったのでしょうか?

JOEY:まったく。一緒には出ますけど、関連性を持たせたりはしていないし。2022年、今のEGG BRAINの新曲たちっていう感じです。ただ、普段は特にテーマを持って取り掛からないんですけど、今回は西海岸系ポップパンクを意識した曲を何曲か入れたいという話をしてから曲作りを始めました。

──原点回帰というか。それはどうしてだったんですか?

JOEY:今の若いリスナーの子には逆に新しく聞こえるんじゃないかなと思って。実際、明るいしハッピーになれますよね。今の時代に合ってるなとも思いました。

Uchie:今回そういう曲を作るにあたって、自分が二十歳前後によく聴いていた音楽を聴き直したんです。Green Day、New Found Glory、Simple Plan、アヴリル・ラヴィーン、Story of the Yearあたりを。そうしたら、当時の気持ちが全部フラッシュバックして。今の10代、20代の子たちにとって、このEGG BRAINの音楽がそういう存在になってくれたらいいなという気持ちもあります。作りながら「あの曲の感じ、良くない?」とかキャッキャ言いながら作って、楽しかったな~。

JOEY:うんうん。

KUN:僕は逆に、15周年に出すから新たなことをしてみようと思って。いつもはデモ音源にあわせてベースを触りながらベースラインを作るんですけど、今回はベースを触らずに譜面だけで作ってみたんです。手癖に頼らないものを出してみたいなって。

──やってみていかがでした?

KUN:いいベースラインは作れました、新しいものが。ただ……レコーディングが大変でしたね(笑)。「なんでこんな動きするの!?」みたいなものばっかりやったんで(笑)。でも引き出しは増えたんじゃないかなと思います。

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生地がなかなか発酵しなかったんで(笑)

──ではそんな「EVERLASTING」の収録曲の中から、特に好きな曲や聴いてほしいポイントを教えてください。

KUN:MVも作った「Always Summer」「World」は、EGG BRAINを好きなリスナーさんにズバッと届く曲なんじゃないかなと思っています。音源でもしっかり聴いてほしいですし、ライブでも一緒に遊んでもらえたらなと思います。

──「World」はシンガロングパートもありますしね。

KUN:はい。ライブではけっこうやってるんですけど、このご時世なのでまだ声は出せなくて。でもみんなシンガロングのところで手を上げてくれて。マスクしていてもわかるくらいいい表情で聴いてくれているのを感じています。

──JOEYさんの聴いてほしい曲はありますか?

JOEY:「Viva La Pizza」かな~。ピザが大好きなので、ピザの曲はいつか作りたいなと思っていて。ひさしぶりにここまでコミカルというか、遊び心ある感じを表現できたのはよかったなと思います。まだコロナ禍で声が出せない状況もあるのですが、そんな状況下でもライブで一体感を作りたいなと思って手拍子を入れたりしています。ライブでも楽しんでもらえる曲になったんちゃうかな。

──ちなみに、ずっと作りたかったというピザの曲をここまで温存していたのはどうしてですか?

JOEY:生地がなかなか発酵しなかったんで(笑)。

Uchie:やかましいわ!(笑)

──(笑)。Uchieさんはいかがでしょうか?

Uchie:出ていない曲の中からだと……「Candy」かな。大人な曲やねんけど、ポップでかつおセンチで、どこかハッピーで。お気に入りです。

──それこそポップパンクを聴いていた二十歳前後では出せないような色気がありますよね。

Uchie:ありがとうございます。

KUN:この曲、20代前半やったら本当に再現できてないと思う。

Uchie:テンポの速いポップパンクばっかりのなかに、こういう曲がポッと入ると、一気に世界観持っていってもらえるし。

KUN:起承転結が付きますよね。

JOEY:アルバムでの曲順もよく考えました。

 

ありがとう、今はこんな感じです、これからもよろしく

──そして、6月24日からはライブツアー「Thanxxx We Are Fifteen TOUR」が始まります。どんなツアーになりそうですか?

JOEY:再録ベストと新譜が出たあとですが、あまり意識せずにすべての曲の中からやられたらと思っています。

Uchie:「Thanxxx We Are Fifteen TOUR」というツアーだから、「15周年支えてくれてありがとう」「応援してくれてありがとう」「今はこんな感じで元気にやってます」「これからもよろしく」みたいな。昔の曲もがんがんやるので、懐かしい気持ちで遊びにきてほしいと思ってます。

JOEY:初日はワンマンなんですが、特別なことをしたくてリクエストを募ったんですよ。

──アンケート結果を見てどう感じましたか?

Uchie:意外やったかな。「このアルバムけっこう人気なんや」っていう。あんまりライブでやってなかった曲がけっこう人気で。

KUN:ライブでやってないからリクエストされているっていうのもありそうですよね。

──その結果、初日以降のセットリストにも多少影響しそうですね。

Uchie:はい、リサーチ的な目的もあったので。

──ということは、今回のツアーはEGG BRAINのライブによく行ってる人も新鮮な気持ちで楽しめそうですし、ひさしぶりに行く人も楽しめそうですね。

JOEY:まさに!

──では最後に、この先のバンドの展望を教えてください。

Uchie:とりあえず15周年に必死やからなー。

JOEY:来年以降もやりたいことはいっぱいありますけど、まずはこのツアーを成功させたいですね。

KUN:そうですね。まずはこのツアーを無事に走り抜けるというのが目標ですね。このツアーを経て、やりたいことも明確になるだろうし。途中でシンガロングできるような形になってくれたら、さらに最高ですしね。ツアーを回っているうちに世の中も動くかもしれないので、そういう動きにも敏感になりながらツアーを回れればと思っています。

Uchie:制限がある中でも精いっぱいツアーを回って、来年の16年目……とは言わず、“SEVENTEEN”の17周年、20周年、25周年……と死ぬまで続けたいです。

EGG BRAIN「THE BEST」

01. SEVENTEEN
02. CROSS THE SKY
03. YEAH! YEAH!
04. BELIEVE
05. THE STORIES
06. AWAKE
07. ROLLER COASTER
08. HIGHWAY-26
09. FATE
10. VITAMIN
11. METEOR
12. CALIFORNIA
13. MR.SUNSHINE
14. STARING AT THE SAME OLD STAR
15. THE APRIL SONG

EGG BRAIN「EVERLASTING」

01. Always Summer
02. Never Wanna Grow Up
03. Take Back Da House
04. Candy
05. Viva La Pizza
06. World

 

EGG BRAIN 15th ANNIVERSARY TOUR “Thanxxx We Are Fifteen ”

日程:2022年6月24日(金)    
会場:大阪府 BIGCAT
 
日程:2022年7月9日(土)
会場:長崎県 Studio DO!
 
日程:2022年7月10日(日) 
会場:大分県 club SPOT

日程:2022年7月16日(土) 
会場:島根県 出雲APOLLO

日程:2022年7月17日(日)
会場:広島県 SECOND CRUTCH

日程:2022年7月23日(土)
会場:愛媛県 WStudioRED

日程:2022年7月24日(日)
会場:高知県 X-pt.

日程:2022年7月30日(土)
会場:長野県 LIVEHOUSE ALECX

日程:2022年7月31日(日)
会場:新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE

日程:2022年8月7日(日) 
会場:神奈川県 F.A.D YOKOHAMA

日程:2022年8月8日(月)
会場:埼玉県 HEAVEN'S ROCK 熊谷 VJ-1

日程:2022年8月10日(水)
会場:宮城県 仙台MACANA 

日程:2022年8月12日(金)
会場:岩手県 盛岡the five morioka

日程:2022年8月13日(土)
会場:青森県 LIVE HOUSE FOR ME

日程:2022年8月20日(土)
会場:三重県 M'AXA 

日程:2022年8月21日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB UPSET

日程:2022年9月6日(火)
会場:北海道 札幌Bessie Hall

日程:2022年9月7日(水)
会場:北海道 旭川CASINO DRIVE

日程:2022年9月16日(金)
会場:石川県 金沢vanvanV4

日程:2022年9月17日(土) 
会場:福井県 CHOP 

日程:2022年9月23日(金・祝)
会場:東京都 Shibuya eggman

日程:2022年9月25日(日)
会場:静岡県 Shizuoka UMBER

日程:2022年10月7日(金)
会場:福岡県 LIVEHOUSE CB

日程:2022年10月8日(土)
会場:宮崎県 LAZARUS

日程:2022年10月14日(金)
会場:岡山県 CRAZYMAMA 2ndRoom

日程:2022年10月15日(土)
会場:山口県 LIVE rise SHUNAN

日程:2022年10月28日(金)
会場:京都府 KYOTO MUSE

日程:2022年11月5日(土)
会場:香川県 DIME

日程:2022年11月11日(金)
会場:千葉県 千葉LOOK

日程:2022年11月12日(土)
会場:茨城県 mito LIGHT HOUSE

日程:2022年11月20日(日)
会場:東京都 LIQUIDROOM


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