LIVE REPORT

RUMBLE×JAG 2026 LIVE REPORT!!

Report by 柴山順次
Photo by ヤマダマサヒロ/瀧本JON...行秀/岩渕直人/うえむらすばる

RAD ENTERTAINMENT×JAILHOUSEによるフェス「RUMBLE×JAG 2026」が2026年3月14日(土)、 15日(日)の2日間にわたり、Aichi Sky Expoにて開催された。今年で2年目の開催となる「RUMBLE×JAG」は、ENTH、KUZIRA、Makiなどのマネジメントを手掛け、「FREEDOM NAGOYA」をはじめとした様々なイベントを主催するRAD ENTERTAINMENTと、名古屋のイベント会社であるJAILHOUSEがパンク・ラウドに特化したフェスとして立ち上げたイベント。「ゴロゴロでギザギザ。」を合言葉に、「GOROGORO STAGE」「GIZAGIZA STAGE」「GIRAGIRA STAGE」の3ステージで熱演が繰り広げられた。

 

初日である3月14日、GIZAGIZA STAGEに玉置浩二の「メロディー」が響き渡る中、ステージに登場したKnosis。その身体に蛇を飼う男たちの生き様、在り方が朝っぱらから集まる迷える子羊たちを浄化する。盟友Survive Said The ProphetのYoshが飛び出し双蛇による「OTONOKE」をぶちかまし、のっけからフロアをバーサーカー状態にした。時を同じく、GIRAGIRA STAGEではHONESTが地元のライブハウスを背負ってステージに立っていた。共に歩んできた仲間、シーンへの感謝を述べながら切り拓く新たな地平線を「RUMBLE×JAG 2026」に感じることができるライブだった。GOROGORO STAGEのトップを飾ったのはAge Factory。無限より高く、異次元まで意識が飛びそうな中で浴びる轟音の快楽たるや。目前で繰り広げられる光景から感じる人間讃歌が突き刺さって動けなくなる。こうして「RUMBLE×JAG 2026」は3ステージでそれぞれの幕が上がった。

 

キュッと弾ける甘い語尾とドスの効いたツインボーカルが炸裂するカライドスコープにはずっきゅん心を撃ち抜かれ、一発KO。びしょ濡れになるまで抱きしめて、重たいくらいに愛し合って、果てまで一緒にいきたいと割と本気で思ってしまうほどだ。純白のSurvive Said The Prophetが爆発させたエモーショナルが作り上げたラブでピースな空間も愛で溢れていた。猛者の集まる「RUMBLE×JAG」にこの空気感を作り上げるのがSurvive Said The ProphetがSurvive Said The Prophetである所以だろう。日本武道館公演も決定したTENDOUJIがド派手なビブスに身を包み「Ah」とか「Oh」とか明朗快活シンガロングを潮風香る音塊に乗ってGIRAGIRA STAGEに飛ばす。EASY PUNKとは人生をラブで満たすことかもしれない。そしてHump Backだ。拝啓、パンクスよ、見たかディスイズ番狂わせ。ひたすら生き抜いてたまに息抜いて、どっこい追いかけ続ける夢の先にあった今日のこの瞬間。自転車立ち漕ぎフルパワーでしっかりと「おかんパワー」を「RUMBLE×JAG」に叩きつけた。

 

「お前の心の中に幸せをぶち込みにきたぜ!」と、泥水を啜ろうとも立ち上がる歌を鳴らしてヤングオオハラが叫ぶその言葉に嘘はなし。聳え立つ壁をぶっ壊すロングトーンが祈りのように鳴り響く。打って変わってPaleduskが剝き出しの感情を全方向に放つと、視界から要らないもの全てが吹き飛ぶようなハードでハートなコアが炸裂。一網打尽に滅多打ちする攻撃的なサウンドに内包するのが寄り添うような温かさだなんて、なんて優しい悪魔なんだ。the奥歯’sがぶち撒けたリビドーと制御不能なステージングの背景にあるものが、弱虫で独りで満たされないものだと気付くライブを展開。残酷で不条理なリアルへの反抗はパンクロックそのものだ。

 

SCAFULL KINGからBACK DROP BOMBへの流れには歓喜した。SCAFULL KINGから放たれるハピネスといったらもう。あの頃からずっとSCAFULL KINGがポップにおけるキングである所以イズこれ、みたいなショーに世代を超えてみんながみんなダンスする世界。こうやって僕たちはみんなで歌って踊って笑って歳を重ねてきたのだ。そしてBACK DROP BOMBである。オリジナルでチャンピオンなサウンドは30年の時を経てより圧倒的なものに。細胞ごと反応してしまう日本のミクスチャーアンセムの猛攻に全ての人が踊るマキシマムな圧巻ライブ。SCAFULL KINGとBACK DROP BOMBを通して観ることができる「RUMBLE×JAG」ってやっぱりとんでもない。

 

HERO COMPLEXがGIRAGIRA STAGEに現れると、そりゃ誰もがご機嫌になるわけで、一面に広がるグッドサイン。春夏秋冬季節が巡っても変わらぬ友がいてくれることをHERO COMPLEXのライブを観ながら願う。そんな頃、ROTTENGRAFFTYといったら「ランジャグは大赤字!」と大暴露。しかしそこは流石のロットン。赤字を黒字どころか輝き狂う黄金色にしちゃうのだから頭が下がる。黄金の風を「RUMBLE×JAG」に吹かせる古都のドブネズミたちの「今に見てろスピリッツ」がこのフェスの未来を輝かしいものにするだろう。Dragon Ashのステージも凄まじかった。何にもないってことが何でもありってことを、その存在と歴史をもって体現してきたDragon Ash。日々加速する時代の中でそこに光があると信じることができるのは、今日のようにDragon Ashがちゃちな境界線をぶった斬ってきたから。「RUMBLE×JAG」に掻き立てられたONIONRINGのステージには物語がしっかりとあった。「RUMBLE×JAG」があったから生まれた曲が彼らにはあり、名古屋のシーンを背負って立つ姿がそこにはあった。彼らがどんな1年を過ごしてきたか、それがONIONRINGのライブに全て現れていた。

 

ここで物語はさらに加速する。残念ながら出演キャンセルとなったKen Yokoyamaのステージに「俺、健さん観に来たんやけど」とアコースティックギターを片手に突如現れた猪狩秀平。どうやら5分前に急遽決まったとのことで「1曲だけやります」とKen Yokoyamaの「I Go Alone Again」を歌う猪狩。「RUMBLE×JAG 2026」にKen Yokoyamaの楽曲が確かに鳴り響いた瞬間だった。猪狩秀平とKen Yokoyamaのギター、歌、メロディー。その全てが愛だった。GIRAGIRA STAGEのトリを飾ったのはGARLIC BOYS。どれだけ時が経っても朽ちない肉厚なギラギラで、相も変わらず飛ばし過ぎなメラメラなライブを見せつけてくれた。

 

GIZAGIZA STAGEのトリはKUZIRA。ビートを繋ぎ続けること。Ken Yokoyama不在の「RUMBLE×JAG 2026」において、KUZIRAが受け継いだもの全てを込めた持ち時間を急遽増やした長尺スピン。「社長が迷惑をかけてすみません」と散々迷惑をかけた末武竜之介が「社長、曲を借ります!」と歌った「I Won't Turn Off My Radio」よ。「地元にかっこいいフェスを作りたい」と語るKUZIRAが背負ったローカルシーンとPIZZA OF DEATH。確実に以前とは違う表情でステージを後にするKUZIRAにシーンの未来を感じずにいられなかった。そして初日の大トリ、ハルカミライがGOROGORO STAGEに登場。眠れない夜に聴く音楽はどんなものだろう。ここに集まった人それぞれきっと自分だけの音楽があって、それぞれ胸に秘めたものを持って集まった「RUMBLE×JAG 2026」で、そこが世界の真ん中なんだって全部肯定したのがハルカミライのライブだ。「RUMBLE×JAG」というフェスをこれからも一緒に作っていきたいと語る橋本学。バンド主催のフェスとは違う「RUMBLE×JAG」の主役はここにいる全員で、そうやってみんなで作り上げていくのが「RUMBLE×JAG」なのかもしれない。

 

初日の熱狂がフロアにまだ残る中、2日目のトップを切ったのはSHANKだ。神妙な面持ちでマイクに向かい「今日は伝えたいことがあります」と言う庵原将平の言葉に息を飲む会場。沈黙を破ったその一言は「おはようございます!」の朝の元気なご挨拶。いつだってどこだって通常運転のSHANKで「RUMBLE×JAG 2026」の2日目が始まった。GIZAGIZA STAGEの1バンド目は昨年に続き2回目の出演となる名古屋の若手筆頭、May Forth。波の音をも掻き消す爆音で、流れ星を、天使が住んだ町を、「RUMBLE×JAG」に描き出す。きっと彼らはこれからの「RUMBLE×JAG」にとって重要なバンドになっていくことだろう。THE FOREVER YOUNGで巻き起こった大きなシンガロングはそのままクニタケヒロキの愛の大きさのようだった。音が鳴るたびに高鳴る鼓動。THE FOREVER YOUNGを浴びることは生きていることを実感することでもある。

 

HAWAIIAN6のメッセージにも胸を打たれた。僕らには愛が、自由が、夢がある。そして可能性と想像力がある。だからライブハウスのように距離が近くなくたって、いつだってこんなにも近くに感じることができる。畑野行広はステージとフロアの距離に「ヴィジュアル系に見えるだろ?」と言っていたけれど、愛とマナーをもって「見える!」と叫んでいたフロアもさすがである。そのユーモアはOVER ARM THROWにも伝染する。「今日がライブハウスの入り口になったらいい」と鈴野洋平の現場で叩き上げてきたからこその説得力を感じていると、最後には菊池信也と鈴野洋平が楽器を捨てフロアに突撃。そしてステージにひとりとなった寺本英司による独奏独唱。こんな奇跡が起きちゃうのだからやっぱりライブなのだと実感する。

 

メンバーの希望でGIRAGIRA STAGEを遊び場に選択したSHADOWS。そりゃあもちろんギュウギュウのフロア。SHADOWSが選んできているなら遊ぶ奴だってここを選んできたのだろう。そこに偶然の出会いなんかなくて、選んで選ばれた者同士、相思相愛のぶつかり合いだから生まれたあの空間。なんてかっこいいやり方なのだろう。そんな中、遊び方だったら負けていない、ヤバイTシャツ屋さんも最新の遊び方を「RUMBLE×JAG」に提案。まずはいつもあんなにお喋りなのにMC一切なし。そして反復横跳び。パンク、ラウドの名の下に集まったパーティーピーポーたちが揃いも揃って反復横跳びする姿。誰もやらないことを平然とやってのけるんだから、ヤバTってヤバみ。

 

KOTORIのライブを観ながら感じたのはいつか訪れると信じていた最高の時とは今のことなのかもしれないということ。心の中でずっと鳴っている歌がみんなの声で鳴り響いた瞬間を奇跡と言わずなんと言う?やはりそうだった、僕たちが音楽で、未来だった。この素晴らしい世界がずっと続けばいいのに。そんなことを強く思った。そして名古屋のいぶし銀、EVERLONGの歌が「RUMBLE×JAG」を包み込む世界線。15年間積み重ねてきた3人が伝えたいことは至ってシンプルで、だけどとても大切なこと。世界に正解はなくたって、僕らにとってはEVERLONGの音楽が正解だ。GOROGORO STAGEをひとつにしたのはFOMARE。僕と君と君と君は違う人だから日常の些細なことから生き方まで違って当たり前。だけど音楽を前に、FOMAREを前にしたとき、肩を組んで一緒に歌うことができるのだ。違いを認め合い支え合い、同じ歩幅で永遠を歩いていく。それこそがフェスティバルだ。

 

「RUMBLE×JAG 2026」の大事件といえば、名古屋のリヴィングレジェンド、the 原爆オナニーズがこの場にいることだろう。腹の底から湧き上がるビート、ジャキジャキと刻むコード、脳天を突き抜けるTAYLOWの叫び。結成から40年以上にわたり名古屋から全世界にその名を轟かせるその理由がそこにはあった。「パンクでぶっとばせ」僕らはthe 原爆オナニーズからパンクが何かのヒントをもらい続けている。答えじゃなく、ヒント。それが大事なことだと、やはりこの日も学ばせてもらった。the 原爆オナニーズがリヴィングレジェンドならば、今まさに新たな伝説を作ろうとしているのがMakiだ。「コロコロでまるまるな奴はここから一歩も通さない!」と叫んだ山本響。人に流されるな、人に頼るな。自分自身の道を切り拓くことが誇りだと唱えたMakiの決意表明のようなライブに心が震えた。

 

「RUMBLE×JAG 2026」の何が面白いかって、世代感もそのパンク精神も異なった者たちが、パンクやラウドをテーマに集まっていること。MONGOL800の真裏でTIVEがライブをしているなんて「RUMBLE×JAG」だけだと思う。言わずもがな、老若男女誰もが歌える国民的パンクナンバーを惜しげもなく披露するMONGOL800。「RUMBLE×JAG」で会いたかった人がいたなとふと思ったその瞬間にHi-STANDARDの「NEW LIFE」のカヴァーだなんて、ほら、響いて仕方ない。対してTIVEである。「ゆっくり休みたい人はこっちに、元気に遊びたい人はこっちに」とフロアを半分こにしたことで暴れたい奴は一気に凶暴化。触れる者全てに血を通わせる最新型のハードコアの猛攻。信じられる?同じイベントで同じ時間に裏でモンパチが歌っているんだぜ。

 

一度きりの人生ならば転がるように生きて笑って楽しんで、運は自分で掴み取って、きっとそうやって生きてきたdustboxだから、ステージ脇にはいっぱいの愉快な仲間たち。そしてテキーラ。短い人生、どう生きるかの、そのお手本のようなライブをdustboxが見せてくれた。さらに豪快なライブを見せてくれたのは炙りなタウン。頭と心のネジを外して歌うろくでなしの唄。そんなの響かないわけがない。ガラガラのライブハウス出身、炙りなタウンは胸をいっぱいにする方法を知っているのだと思う。さあここでENTHのおでまし。初年度はキュレーター的な役割も果たしたENTHが、じゃあ「RUMBLE×JAG 2026」でどんなライブをしたかって、それはもうそのままENTHという生き様を見せられた気分だ。死に場所は選べなくとも生き方なら自分で決められる。友達が作る服を着て、友達が作るメシを食って、いつの間にか地元を背負って"EN"と"TH"で「ENTHだ」って、意味のないその言葉に意味を持たせて立つ「RUMBLE×JAG」。かっこいいにもほどがある。

 

いよいよ2日間の大詰め。GIRAGIRA STAGEのラストを任せられたlocofrankは「10-FEETの裏だけどみんな間違えていない?」とパンパンのフロアに嬉しそうに「START」を叩きつける。28年経ったってこんなにもギラギラしていられるんだから、バンドってピカピカだ。GIZAGIZA STAGEのトリは10-FEET。絶望なんてしていて当たり前のこの世界で、それでも笑っていられるのは、10-FEETが真っ直ぐに衝撃と衝動を与えてくれるから。残り2分半、「めっちゃ速いVIBES BY VIBES」を余裕綽々と倍速プレイ。最後にはやっぱり笑顔にしてくれるのが10-FEETである。GOROGORO STAGE、そして「RUMBLE×JAG 2026」の大トリは銀杏BOYZだ。「90年代に死んだとされるロックを蘇らせにきました」「ロックを最初に鳴らした人にはなれなかったけど、最後までロックを鳴らし続けたい」と宣言した峯田和伸。音楽で、ロックで、世界は変えることはできないかもしれない。うるせえ、そんなこと知らねえ。少なくとも目の前で鼻水やよだれを垂らしながら歌う峯田和伸は、ここに集まった僕たちは、音楽で自分の世界を変えた者たちばかりだ。ハロー、今日僕らには、素晴らしい世界がはっきりと見えた。銀杏BOYZという衝撃を目の当たりにした僕らの明日は、きっと今日までとは何かが違うはずだ。

 

2日間にわたり開催された「RUMBLE×JAG 2026」。RAD ENTERTAINMENTとJAILHOUSEというパンクな両者がタッグを組んだことがまずはひとつの革命であり、その革命を成し遂げるべく、早くも3回目の開催が決定しているようだ。パンクやラウドに特化すること、それすなわち生き方に特化すること。それが「RUMBLE×JAG 2026」で感じたことだ。このフェスが名古屋に誕生したことは確実にこのシーンを、カルチャーを、押し上げることに繋がっているだろう。世代なんて超えた共通認識が僕らにはある。いや今年の「RUMBLE×JAG」で生まれたのかもしれない。それでは皆様、ご唱和ください。「パンクでぶっとばせ」。

 

RUMBLE×JAG 2026
開催日 : 2026/3/14(土)・15(日)
開催場所 : Aichi Sky Expo
主催 : RAD ENTERTAINMENT / JAILHOUSE
企画制作 : RAD ENTERTAINMENT / JAILHOUSE

出演アーティスト
3/14(AtoZ)
<GOROGORO STAGE / GIZAGIZA STAGE出演>
Age Factory / BACK DROP BOMB / Dragon Ash / Hump Back  / Ken Yokoyama(キャンセル) / Knosis / KUZIRA / Paledusk / ROTTENGRAFFTY / SCAFULL KING / Survive Said The Prophet / ハルカミライ / 猪狩秀平(HEY-SMITH/sometimes)
<GIRAGIRA STAGE出演>
GARLICBOYS / HERO COMPLEX / HONEST / ONIONRING / TENDOUJI / the奥歯’s / カライドスコープ / ヤングオオハラ

3/15(AtoZ)
<GOROGORO STAGE / GIZAGIZA STAGE出演>
10-FEET / dustbox / ENTH / FOMARE / HAWAIIAN6 / KOTORI / Maki / MONGOL800 / OVER ARM THROW / SHANK / 銀杏BOYZ / ヤバイTシャツ屋さん
<GIRAGIRA STAGE出演>
EVERLONG / THE FOREVER YOUNG / locofrank / May Forth / SHADOWS / TIVE / 炙りなタウン / the 原爆オナニーズ