INTERVIEW

Northern19 19th anniversary INTERVIEW!!

Text by Chie Kobayashi
Photo by 半田安政

 

Northern19が、今年結成19周年目を迎えた。これを記念して、笠原健太郎(Vo, Gt)に19年間を振り返るインタビューを実施。これまでのバンドの苦悩や転機、そして現在実施中のライブツアー「LUCKY CHARMS tour」の手応えなどをたっぷり聞いた。

 

出始めた池袋MANHOLEの雰囲気がすごく好きで

 

──19周年目に突入した現在の心境はいかがですか? 「もう19年」なのか「まだ19年」なのか。

 

どっちもありますね。「もう19周年か、早いな」という気持ちもあるし、「振り返ってみれば、確かにそれなりの19年だったな」とも思います。

 

──オフィシャルサイトにもバンドのバイオグラフィが掲載されていますが(http://www.northern19.com/biography/)、改めて見ると、様々なことがあった19年ですよね。この19年をバンドの状況ごとにいくつかの章に分けるとすると、どのようになりますか?

 

まずは結成から1stアルバム『EVERLASTING』リリース(2006年6月)までが第1章。そこからメンバーチェンジ(2019年3月)までが第2章、それ以降が第3章という感じですかね。大きくわけると。

 

──ではそれぞれの章について詳しく聞かせてください。まず結成から『EVERLASTING』リリースまでの第1章について。それこそ“19歳”のときにNorthern19を結成されましたが、当初は19年、20年……と長く続くと思っていましたか?

 

いえ。全然考えていなかったですね。「ずっとやっていければいいな」という感じで、10年、20年先のことなんて全然想像できなかった。

 

──当時思い描いていた理想のバンド像などはあったのでしょうか?

 

これといったイメージはなかったですね。とにかく自分のやりたいことを続けられたらいいな、くらい。

 

──バンドを始めるきっかけになったバンドやアーティストは?

 

そのときはNo Use For A NameとかUseless ID、The Atarisとか。ちょうど青春時代に聴いていたバンドが、そのあたりで。結成した当初は、そういったバンドをイメージしていました。でも僕たちがライブハウスに出始めたときって、いろんなジャンルのバンドがいて。日本のメロディックパンクから影響を受けたバンドもいれば、海外のポップパンクから影響を受けたバンドもいたし、ハードコアバンドも、青春パンクもいた。それぞれがジャンルごとに固まる感じはなくて、ごちゃっとみんなで認め合って、仲良くやっていた。僕はその空気感がすごく好きで。だからすごく自然に周りのバンドからも影響を受けていたと思います。

 

──当時から一緒にやっていて、今も続けているバンドはいますか?

 

TOTALFATですね。僕らは最初、CATCH ALL RECORDSからリリースしていたのですが、TOTALFATはCATCH ALLから先にデビューしていて。僕らは何もわからず上京して、最初にデモテープを持っていったのが池袋MANHOLEなんですけど、当時のブッキングマネージャーに「TOTALFATっていう、お前らとタメで、もうガンガンやっているバンドがいる」と言われたのを覚えています。TOTALFATのライブを初めて見たときは衝撃を受けましたね。「タメでこんなにすごいバンドがいるんだ」って。

 

 

『EVERLASTING』リリースまでにぶつかった壁

 

──そして、2006年にCATCH ALLから1stアルバム『EVERLASTING』をリリースしました。このアルバムがヒットして、一気にNorthern19の名前が全国区になりましたが、当時、こんなにヒットすると思っていましたか?

 

どれくらいヒットするかというのはわからなかったですけど、「これ、絶対いいでしょ」とは思っていましたし、そう思えるものを作ろうという気持ちでいたことも確かです。だからリリースされて、すごく大きな反響があったときに「やっぱりな」といい気持ちになりました。でも気持ち的にもスキル的にもまだ対応できていなくて、ちょっと「うわっ」という焦りもありました。

 

──今、振り返って『EVERLASTING』はどんなアルバムだと思いますか?

 

1stアルバムにしか出せないものが入っているなと思います。拙い部分もたくさんありますけど、自分がリスナーとして聴くときの「やっぱ1st最高だな」みたいな感覚のある作品を作れたなと。

 

──1曲目「STAY YOUTH FOREVER」の冒頭のシンガロングは、Northern19のヒットの大きなポイントだったと思うのですが、そこには狙いのようなものはあったのでしょうか?

 

まぁ狙いっちゃ狙いですけど、自然に出てきたものでもあって。最初この曲ができたとき、池袋MANHOLEで披露したんです。本当の最初は、シンガロング部分に歌詞がなくて「ウォーオーオー」だったのですが、当時のブッキングマネージャーに「青春パンクみてぇな曲だな」と言われて、「確かにな」と思ったことを覚えています。メロディックパンクとか、ポップパンクとか、そういうくくりじゃなくて、自分たちだけにしかできない音楽を作りたいと思っていたので、その気持ちがそのまま形になったのが「STAY YOUTH FOREVER」だったんです。

 

 

──先ほど、当時のライブハウスにはいろいろなジャンルのバンドが一緒に出ていたと言っていましたが、そういう中だったから出来た音楽だったんですね。

 

そうなんですよ、まさに。それは1stアルバムをリリースするまでの間にぶち当たっていた壁でもあって。最初はNo Use For A Nameみたいな曲をやりたいし、No Use For A Nameみたいなバンドになりたいと思って、例えば短パンを履いたり、キャップを斜めにかぶったりしていたんです。でも自分のキャラ、自分の人間性にはマッチしていない感じがして。作る曲にしてもそうで、「なんか違う気がする」とすごく悩んでいた。それこそ1stアルバムでいうと「DON'T GO AWAY」ができたときに、すごく悩んだんです。いい曲ができたけど、どう扱っていいかわからなかった。それまでの自分たちのテンションには重いというか、エモ過ぎて。

 

──確かにNorthern19で最初にできた曲だという「SUMMER」と比べると。

 

そう。テンションが違って。でもライブでやってみたら、自分の中でいい感じに融合できた。そこから、こういうエッセンスを入れると自分たちらしくできる気がすると思うようになって、「CRAVE YOU」が出来て……と1stアルバムが完成に至りました。今でもその考え方は変わっていなくて。「あのバンドっぽい曲」じゃなくて、自分たちの内側から出るものじゃないと面白くないなと思っています。

 

──しかも、そのファーストアルバムを出して、翌年には、ROCK IN JAPAN FESTIVALに出ています。しかもWING TENT入場規制。その年のCOUNTDOWN JAPANもMOON STAGE入場規制。1枚出して、バンドの状況が大きく変わりましたが、当時はこの状況をどう受け止めていましたか?

 

もちろん楽しいし、刺激的でしたけど、いっぱいいっぱいでしたね。レーベルにも前例がなかったので、みんな探り探りで。もちろんうれしかったしエキサイトしていましたけどね。

 

10年経っても「まだまだやり足りない」

 

──そんな状況で突入した第2章ですが、その中で特にバンドに対する意識が変わったタイミングはありますか?

 

2ndアルバム『FROM HERE TO EVERYWHERE』から3rdアルバムに向かっていた時期。2008〜2010年あたりですかね。2ndのツアーは各地ソールドアウトして、初めて行く土地もいっぱいあって、さっき言ったようにエキサイトしている反面、わかっていないこともいっぱいあって。メンバーでゆっくり話す時間が、あるようでなかった感じだったので「これでいいのかな」とか思ったりして、結構しんどかったんですよね。しかも2ndアルバムは、1stアルバムを超えなきゃと思って、いろいろなトライアルをしながら作ったから、アルバム作りもしんどくて。そのままツアーに出たから、いろんなことが「ぐわぁ」と来てしまった。一回フラットに戻したいと思っていました。そういう細かいことを考えるのはやめて、ポンポン出来た曲を入れていこうと作ったのが3rdアルバム『SMILE』です。

 

──そのあと、音楽的に変化したり、新しいNorthern19が見つかったりしたタイミングはありますか?

 

それは、次の『EMOTIONS』かも。その頃には“Northern19ってこういうバンド”というイメージができていたので、それを一回ぶち壊したいという気持ちがあって。いろんな音楽的なトライアルをして完成したのが『EMOTIONS』でした。その頃から、自分たちの好きな表現方法としてはメロディックパンクというものが核にあるけど、アウトプットとしてはメロディックパンクじゃないものを表現したいという気持ちが強くなっていきました。

 

──1stアルバムの1曲目で、Northern19のキラーチューンともなった「STAY YOUTH FOREVER」を超える、みたいなところは、バンドの一つの課題にもなっていたのではないかと思うのですが、そのあたりはいかがですか?

 

もちろん、その気持ちはありました。でもそこばかりに囚われるのも嫌だったので、「STAY YOUTH FOREVER」は「STAY YOUTH FOREVER」としてと考えるようにしていて。「STAY YOUTH FOREVER」とは違ったやり方や違う曲調とかでいい曲を作りたいと思っていましたね。

 

──そのあとに大きいのは2013年の10周年ですかね。新レーベル・WIRED ReCORDSからミニアルバム『FOR EVERYONE』をリリースしました。10周年のときはどのような心境でしたか?

 

今と似ていて「うわ、10年経っちゃった」と「やっと10年経ったな」の両方がありました。長いようで短い感じがしました。

 

──そのときは「次の10年はこうしたい」というような、新たな目標や決意はあったんですか?

 

どうだったかな……。でもまだやり足りないなと思っていたと思います。「こんなもんじゃない」って。もっと良い曲を作って、もっと熱いライブをしたいと思っていました。

 

 

1からじゃなくて、ゼロからの気持ちで

 

──そして、第2章の終わりかつ第3章の始まりとなったメンバーチェンジが2019年3月です。当時はバンドを終わりにするという選択肢もあったのでしょうか……?

 

よぎりましたね。ただ「せっかくここまで続けてきたのに辞めるのってどうなんだろう」と思って。あとは、先輩とか仲間のバンドにも「大丈夫だよ」「やれるよ」と背中を押してもらいました。「新しいメンバーを入れて、早くライブやればいいじゃん」ともよく言われて「そんなに簡単言うけど!」と思いましたけど、確かそうだなと思いましたし、ポジティブに捉えれば、心機一転、新たに始められる良い機会だなと思いました。

 

──第3章に入ってからは、SATANIC ENT.でもたびたびインタビューさせてもらっていますが、現状はどんな感じですか?

 

すごく楽しいですね。それまでは気付くと「こうしなきゃいけない」「こうでなきゃいけない」と凝り固まっちゃうところがありましたが、以前に比べてそういうことが全然なくて。すごく楽しめています。特にライブや、演奏するということに対して。

 

──そのマインドの変化は何が要因ですか?

 

(敦賀)壮大が入って、壮大がNorthern19というバンドや環境、音楽に馴染んでいく過程で、「1からじゃなくて、ゼロから、もう一回新しいバンドを始めるくらいの気持ちでやろうぜ」という話をしたんです。そして、全員が「どう捉えられてもいいから、自分の中にある引き出しを全部出すしかない」というモードになった。各々の引き出しを開けて、一回腹を見せ合うみたいな。それをやっていくうちに、「正解はひとつじゃない」と思えるようになって、すごく楽しくなりました。昔はライブ前に楽屋で「ワァ!」と大声を出したり、壁を殴ったりして、とにかく気合いを入れて臨んでいたんです。そうしなきゃいけないと思っていたから。でも今は「今日はいい感じ」とか「ちょっと今日は調子よくないかも」みたいなことすらも楽しんでステージに立てているというか。「別になんでもいいじゃん」みたいな感じになっているところですね。

 

──すごく良い状態ですね。

 

そうですね。

 

「自分たちが行こうと思った場所に地図ができる」

 

──まさに今は『LUCKY CHARMS』を携えたツアー中(Northern19「LUCKY CHARMS tour」)ですが、楽曲の育ち方はどうですか?

 

だいぶ育ってきていると思います。

 

──私も8月上旬の八王子RIPS公演を見させてもらいましたが、『LUCKY CHARMS』の曲がすでに過去曲と馴染んでいる感じがしました。

 

そうですね。『LUCKY CHARMS』の曲は特に、ツアー序盤からそういう感じがあるような気がします。明るい曲が多いぶん、過去のエモめの曲がセットリストから外れがちではありますが、基本的には過去曲と馴染みのいい曲が多いのかなと。

 

──『LUCKY CHARMS』の中でも特に意外な化け方をした曲はありますか?

 

壮大が歌っている「NOW OR NEVER」と、「SURVIVE」ですかね。この2曲は反応も良くて。反対に「FANTASY」とかはもうちょっと浸透させたいなと思っています。

 

──11月19日にはツアーファイナルを迎えます。どんなライブになりそうですか?

 

今の自分たちは、守りに入るんじゃなくて、攻めたライブができているので、それを見て「いい感じだな」と思ってもらえるライブにしたいと思っています。そのために、ツアー一本一本回っているので。セットリスト的にも、マインド的にも、その集大成が見せられたらと思っています。気合いはもちろん入りますけど、堅苦しくやるんじゃなくて。「19年経った今、こんな感じです。楽しいよ。いいでしょ?」っていうバイブスのライブがしたいですね。

 

──ちなみに。バンド人生の中で現在地を示すとしたら、どのあたりだと思いますか?

 

現在地かー。最初の出発点からは遠くに来たなとは思います。でもこの地図がどのくらいの広さのある地図なのか、その中のどのへんなのかというのはわからないですね。というか、自分たち次第なんだろうなと。

 

──まだまだ未知?

 

そうですね。でも「すげぇボロボロで、もうヤバいかも」みたいな感じではないので、本当に自分たち次第。変な話、すぐ隣に「リタイア」という選択肢もあると思うんです。でもどこでそれを選ぶのかというのはわからないし、決めていない。自分たちの通ってきた道は見えますけど、それ以上はわからない、だけど、自分たちが行こうと思った場所に地図ができる。そういう感じなんだと思います。

 

──バンドの今後の展望みたいなものも、そのとき次第ですか?

 

そうですね。「展望がない」と言うことに対して不安もないというか。自分たちがもっと楽しむために、もっと自分たちがカッコよくなるために、続けていけたらと思っています。

 

 

 

Northern19「LUCKY CHARMS」

01. MEMENTO MORI

02. CALL ME

03. FANTASY

04. DUMB

05. NOW OR NEVER

06. SURVIVE

 

Northern19「LUCKY CHARMS tour」

2022年9月29日(木)茨城県 mito LIGHT HOUSE

w.the telephones

2022年10月1日(土)岩手県 the five morioka

w.NUBO

2022年10月2日(日)青森県 LIVE HOUSE FOR ME

w.NUBO

2022年10月15日(土)北海道  旭川CASINO DRIVE

w.KUZIRA

2022年10月16日(日)北海道 Bessie Hall

w.KUZIRA

2022年10月22日(土)沖縄県 Output

w.dustbox

2022年11月4日(金)福岡県 LIVEHOUSE CB

w.THE FOREVER YOUNG

2022年11月5日(土)大阪府 UMEDA CLUB QUATTRO

w.TOTALFAT

2022年11月6日(日)愛知県 NAGOYA CLUB QUATTRO

w.EGG BRAIN

2022年11月19日(土)東京都 LIQUIDROOM

w.GOOD4NOTHING / HAWAIIAN6

 

http://www.northern19.com/