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column

ROAD OF SATANIC CARNIVAL'21 Document #03 -ABOUT OPERATION-

Report by Ryo Tajima(DMRT)
Photography by Taio Konishi


2020年某日、ピザ・オブ・デス・レコーズ社屋。

『2021年はSATANIC CARNIVALをやりてぇ……。今すぐ"開催します!" と叫びたい。が、しかしだ……』

ーーと、思案しながら頭を垂れて苦渋の表情を滲ませている男一匹。
そう、SATANIC CARNIVALプロデューサー、I.S.Oである。
彼は頭を抱え込んでいた。いや、今も現在進行形で抱え込んでいる。

ーやれるのか、SATANIC CARNIVAL'21ー

これは、そんなイベントプロデューサーと、それを取り巻く人々のドキュメントである。
※室内は充分に換気を行いながら撮影を行なっています

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まずはSATANIC CARNIVAL'21をやる、という前提で動き出したI.S.O。6月第1週週末の開催を考えると、実はもう半年を切っている。決めるべきこと・やるべきことは山積みだ。前回お伝えしたバンドへの出演オファーの他に、実際にどうやってイベントを運営していくかについても、そろそろ決めねばならないことだった。

SATANIC CARNIVALのような大型フェスでは、イベントを円滑に進行していくために何千人もを超える大勢の人が働いている。場所ごとに切り分け、各部門のプロフェッショナルたちが各々の仕事を完璧にこなす。そうやってイベントは回っているのだ。もちろん職人のような人だけではなく、そこにはアルバイトスタッフも大勢いるわけだが、この具体的な運営方法を関係者と話し合っていくうちにI.S.Oは大きな壁にぶつかっていた。そう、今日も今日とてI.S.Oは頭を抱え込んでいたのである。

その発端が「円滑に運営を回すために必要なアルバイトスタッフが確保できない状況にある」と、例年お願いしている運営会社から指摘されたこと。これには幾つかの理由がある。まずはコロナ禍にあって学生のアルバイトスタッフが動きにくい状況にあるということ、例年であれば都心部である幕張メッセで開催していたが、SATANIC CARNIVAL'21は山梨県某所での開催となること、そもそも、この業界でアルバイトしようと考える若者が減少しているということ。こういった事情から人員集めが困難な状況にあった。

『まずい、大変だ……。とにかく人を集めると言っても誰でもいいわけではなく、ある程度イベントの仕組みを理解していて信用できる組織に任せなくてはならない。特に運営のアルバイトスタッフは直にお客さんと接する現場系スタッフの要。ここで働いてくれる人がいないとSATANIC CARNIVAL'21を開催することができない。嗚呼、どうすればいい』と思いながらI.S.Oは天を仰ぎみた。その刹那である。"ピロンッ"とI.S.Oのラップトップにメールの受信音が鳴った。差出人はTeam K代表の石原健也氏。『自分たちに何か手助けできることがあれば言ってほしい』という文面が綴られていた。

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※写真はSATANIC CARNIVAL’19開催時のブースの模様

SATANIC CARNIVALに行ったことがある人であればTeam Kの名前はご存知だろう。東日本大震災の復興支援を目的として千葉県木更津市で結成された非営利のボランティア団体だ。現在も日本各地の災害に対して様々な支援をボランティアで行っている。初回であるSATANIC CARNIVAL'14の頃から東北復興支援ブースとして参加、2018年以降は復興支援ブースに参加する唯一の団体となっている。

I.S.OとTeam Kの関係は2013年から続いている。当時、Team Kが彼らの地元、千葉県の木更津KAVACHiで開催したイベント「all out attack 2013」にKen Bandが参加したのが初顔合わせ。その後、同年8月に岩手県の陸前高田で開催されたF.I.B×MEANING×RAZORS EDGE主催の「YOUR FESTIVAL 2013」にTeam Kが参加し、先述のSATANIC CARNIVAL'14に繋がる。そんな長い付き合いの中でI.S.OはTeam Kを組織として信用していた。

まさしく渡りに船。Team K 石原氏のありがたい申し出を受けて、I.S.Oは早速WEB会議を申し込んだ。

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「実は、もうマジで助けてくださいって状態だったところに、石原くんが連絡してくれたんです。運営を統括している人にも相談した結果、お願いできるのであれば、是非、力を借りたいという話になって。ボランティアスタッフとして運営を手伝ってくれることは可能ですか?」とI.S.Oは画面の向こうにいる石原氏にスタッフの人員確保が困難な現状を共有しながら話した。
石原氏の答えは「可能です」という即答中の即答。そこから、Team Kとして具体的にどのようなことができるかを考えていたのかについての説明があった。具体的に集められる人数やボランティアとして参加した場合の想定行程などなど。そして「出会った頃からメンバーは入れ替わり立ち替わりで、中学生だった子が二十歳になったり、20代だった人が30代になって結婚してやめていったり。でも、コアメンバーは変わらず、信用できる面々と共に運営しています」とTeam Kの現状を伝えてくれた。

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それを受けて「Team Kは、ちゃんと組織化されている印象が僕の中には強くあって。今までSATANIC CARNIVALに参加してもらった経緯を振り返っても目的意識が共通していると感じているんです。そういう部分も含めて運営を手伝ってもらいたいと思っていて。具体的にお願いしたいセクションはエントランス。チケットとリストバンドを交換する最初に人が集まってくるところなんだけど、Team Kが主体性をもって手を挙げてくれて、ボランティアとしてサポートしてくれる姿勢を示してくれたことを、イベントとして主張するためにも良い場所だと個人的に考えています」とI.S.Oは告げた。

そして、SATANIC CARNIVAL'21を開催するつもりで動くに至った心情を伝えた。「開催しないことも正解の1つ。でも、今のシーンの状況を見ると、リスクを背負ってでもライブをやるバンドがいて、同様に、リスクを背負って来てくれるお客さんがいる。一方で音楽業界で働く人間は苦境に立たされていて、この状況下でも我々は生きていなくてはいけない。そんな中にあって、制限を設けることでイベントをやれる状況を作れるのであれば、必要としてくれている人に向けて機会を作りたいと思うんです。どんな状況下でもやれることがあるんだってことを示していかないと人も場所も失われてしまう。本来なら、このシーンと出会うべき若い人がライブで音楽に触れる機会が失われている現状があります。そんな実情にご理解を得ながら一緒にイベントを作っていきたい。だけど、いざやるとなったら、こうして石原くんにも協力を仰がねば実施することができない。自分たちだけのレベルで収まらない事態になっているんです」。

しばらくの沈黙の後に、石原氏は「ありがとうございます」と静かに返した。

SATANIC CARNIVAL'21に関しては、これまで以上に、主催者の思いと、それを運営する人間が共通の意思と認識をもって行動することが必要だ。やらないでもいい中で、イベントをやるということは、なぜ開催するのかという思いを、その場にいるみんなでシェアしなくてはいけない。それはスタッフとして携わる人間にも理解してもらったうえで来てほしい。その想いはTeam Kの石原氏には言わずとも伝わっていた。信頼できる仲間の協力を得ながら、I.S.OはSATANIC CARNIVAL'21をDO! の方向へ舵を切るべく日々奮闘している。
会議の終わりに「我ら、ネバーランドの住人は歳をとらないけど、夢が失われると死んでしまうんですよ。映画『ネバーエンディング・ストーリー』のファルコンのように。あっはは!!(笑)」とI.S.Oは言い放ったが、当の石原氏はちょっと「???」な感じであった。
ジェネレーションギャップを感じた瞬間である。
あと、あのファルコンと現在のI.S.Oは顔がちょっと似ていると思った。
蛇足、失礼つかまつる。

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〜今回のドキュメントでわかったこと〜

①困り果てているときに、あのTeam Kが手を挙げてくれた!!
②理解を得ながら協力を仰ぎつつ運営のやり方を調整中
③未来は誰にもわからない!! (良くも悪くも)

ROAD OF SATANIC CARNIVAL'21 は随時、開催に向けた準備をドキュメントとして配信予定。
Believe in SATANIC CARNIVAL'21!!

ARCHIVES
ROAD OF SATANIC CARNIVAL'21 Document #02 -BOOKING-
ROAD OF SATANIC CARNIVAL'21 - Document #01