LIVE REPORT

Northern19 “MOVE ON TOUR FINAL”LIVE REPORT!!

Report by Chie Kobayashi
Photo by Yasumasa Handa

2021.11.26
Northern19 “MOVE ON TOUR FINAL” @新宿BLAZE

今年7月にリリースしたシングル『GOODBYE CRUEL WORLD』を携えてのツアー。全20本のツアーだったが、コロナ禍において、全20本のツアーを回り切れるということに、メンバーの感慨もひとしおだった様子。それから、何よりも明らかにこのツアーを経て、Northern19が“バンド”として仕上がっていた。

『GOODBYE CRUEL WORLD』リリースに際してのインタビュー(https://satanic.jp/news/detail/MTE3NQ==)で、Northern19の3人は、現体制になってからの進化や成長について「まだまだこれから」と話していた。笠原健太郎(Vo, G)、馬場豊心(Dr, Cho)、敦賀壮大(B, Vo)という体制になって以降、彼らのライブを見てバンドとしての物足りなさを感じたことはなかったが、今回のツアーファイナルを見て、バンドとしての完成形をはっきりと感じたのだから、やっぱりNorthern19はライブバンドだ。

ライブは「GO」から。3人の息のあったシンガロングで幕を開ける。「ファイナル、よく来たな~!」とうれしそうに声を上げた笠原は、間奏ではまるで初めてギターを手にした少年のように楽しそうにギターソロを弾く。さらに間髪入れずに「BELIEVER」「MORATORIUM」を続け、バンドの“仕上がっている”状態を完全に見せ付けた。続くブロックでは「MOVE ON」「STILL ALIVE」と『GOODBYE CRUEL WORLD』収録曲を連投。「自由に新しいことをしたい」という気持ちで制作された今作の中でも特にこれまでのNorthern19のイメージを覆すようなソリッドな2曲は、よりタイトな演奏とヒリつくような緊迫感を持って届けられた。

「やったぜ! ファイナルできてめちゃめちゃうれしいわ!」との笠原の言葉から3人はMCへ。続けて笠原が「去年『YES』でツアーを回れなくて、曲作るしかないって作った4曲を持って今年は回れるかなと思ったら……全20本、いい感じにやることができました」と晴れ晴れしく言うと、馬場が「今回のツアーで『いい感じ』って何度言ったんだろうね」と言葉を挟む。すると笠原は「だって本当にいい感じだったんだもん」と破顔。「シンプルにバンドって楽しいなって再確認した」「ステージでやれるのはむちゃくちゃ幸せです」と声を弾ませれば、馬場と敦賀も大きく頷いた。


その“いい感じ”で“楽しい”ムードは、もちろん3人のステージングからもひしひしと伝わる。コロナ禍でライブができなかった2020年の夏を歌った「NEVER FORGET, SUMMER '20」では笠原の歌声がひときわ優しくなり、それを支える馬場のドラムと敦賀のベースは重みを増した。さらに「LETTER」ではモノクロのような照明が3人をエモーショナルに映し出し、「THE NIGHT WITHOUT A STAR」ではミラーボールが場内を彩るなど、演出でも観客の五感を動かした。「TONIGHT, TONIGHT」では冒頭の弾き語りパートを終え、馬場と敦賀が加わるタイミングで笠原が本当にうれしそうに2人を見る。それを受けた馬場と敦賀も笑顔を見せた。そののちに笠原が言った。「Northern19は今年、結成18周年を迎えております。壮大が入って3年、今ね、バンドやってて一番楽しいかもしれないです」と。この日、イントロや間奏では笠原と敦賀が共にステージ中央に進んで顔を見合わせうれしそうにプレイする場面が何度もあり、馬場はそんな2人を正確かつ熱量のこもったドラムで支えていた。


笠原はさらに「今回のツアーで根本的な部分は完全にget backできたと思うから、たぶん辞めないんじゃないかな。Northern19はずっとNorthern19で生き続けると思います」とも言った。その言葉に続けて歌詞を噛みしめるように「NOW IS FOREVER」が披露される。さらに「マジで良いツアーだったね」「俺たちはこのツアーで成長した」「どんなときでもやっていけると思った」とツアーの振り返りを挟んで、「NEVER ENDING STORY」が届けられれば、先ほどの「Northern19はずっとNorthern19で生き続けると思います」との言葉にさらに説得力が加わる。そしてバンドは、“19曲目”として「STAY YOUTH FOREVER」をドロップして本編の幕を引いた。本編中に「アンコールはやらない」と宣言していたものの、アンコールを求める声はやまずメンバーは再びステージへ。「今日は特別だから」と「CRAVE YOU」をプレイ。達成感に満ちた表情で、そのステージを締めくくった。

この日のNorthern19の3人は、“18年バンドをやってきた人たちが、こんなに無邪気に楽器を触れるのか”と驚くほどに、心底楽しそうだった。その理由は彼らがステージ上で何度も言っていた通り、純粋に「バンドをやるのが楽しいから」「ステージで大きな音を鳴らすのが楽しいから」「ライブが最高だから」。さらにその想いは、バンドとしての成長にも繋がった。そんなNorthern19は、来年、結成“19年”を迎える。“19年目”の彼らがどんな姿を見せてくれるのか、今からすでに楽しみだ。まずは来年2月11日に、自主企画イベント「HOLY DIVERS vol.4」の開催が決定している。

 


セットリスト

01. GO
02. BELIEVER
03. MORATORIUM
04. MOVE ON
05. STILL ALIVE
06. DRAIN
07. RED FLOWER
08. RECALL
09. NEVER FORGET, SUMMER '20
10. LETTER
11. THE NIGHT WITHOUT A STAR
12. TONIGHT, TONIGHT
13. NOTHING BUT MY HEART
14. TRUTH
15. NOW IS FOREVER
16. SUMMER
17. MESSAGE
18. NEVER ENDING STORY
19. STAY YOUTH FOREVER
<アンコール>
20. CRAVE YOU

Northern19 Official Web Site