COLUMN

ROCK CLASSICS SELECTIONS Vol.03 selected by SENTA from NUMB

この世に数多溢れる名盤と呼ばれる音源の数々。このシーンにおいても、そんなキラキラ金ピカのままに輝き続けるロックのクラシックが存在するわけです。この連載企画"ROCK CLASSICS SELECTIONS"では、現在のシーンに繋がるパンク、ロック、ラウドの名盤を各セレクターにピックアップしてもらい、セレクターの思いと共にお届けしたい。このシーンが好きでCDショップやサブスクでもっとディグりたい! というアナタに捧げる名盤特集。最高のロックエクスペリエンスをどうぞ!
第3回目のセレクターは東京代表ハードコアバンド、NUMBとEternal Bで活躍するSENTA氏。ハードコアの名盤を教えてもらおう!。
##Select ROCK CLASSICS ![Satisfaction]
###HATEBREED / Satisfaction Is the Death of Desire (1997)
####Recommend by SENTA "世の中新型コロナウィルスにより大変な状況が続いております。
おうち時間の気休めになるかは分かりませんが、この度コラムを寄稿させていただくことになりました。
NUMBのVo、ETERNAL BのGt、Sentaです。
よろしくお願いします。

さて、今回紹介するのは1997年にVICTORY RECORDSより発売されたアメリカはコネチカット州出身、HATEBREEDによる1st Full Studio Album『Satisfaction Is the Death of Desire』。
 自分は彼等のDEMOと7EP『UNDER THE KNIFE』からチェックしていました。ヘビーで斬新だけど音質が粗悪で荒削りでマニア向けの印象があったけど(自分は大好きですが)。
※DEMOはYouTubeにUPされているものもある
 しかし、このアルバム『Satisfaction Is the Death of Desire』は、90’s HARDCORE/METAL COREの代表作と言っても過言ではないくらい素晴らしい内容と素晴らしいサウンドクオリティで、その後に多くのフォロワーバンドを生むキッカケになりました。
最大の特徴は、オールドスクールハードコアの曲調の速さ曲時間の短さ。そこに90’sニューヨークハードコアの凶悪ブレークダウンパート、そしてダウンチューニングさせた90’sメタルの持つヘビーなサウンドプロダクト、VoのJamey Jastaのスラッシュ/デスメタルインフルーエンスな声質でのシャウト。
そして、それらすべてを巧妙かつ絶妙なバランスでクロスオーバーさせることに成功し、特にドラムと楽曲隊とのユニゾンを際立たせたブレークパートは現代メタルバンドに多大な影響をもたらしました。
思わずシングアロングしたくなるサビ含めて、本当に良い意味でキャッチーで全曲通しでサラッと聴けてしまうのも特徴の1つです。

ライブにおいても、まずは地道にローカルを回って徐々に着実に力をつけ、AGNOSTIC FRONT、EARTH CRISISなどなど名のあるハードコアバンドから、SOULFLYやMOTORHEADなどといったビッグネームと一緒に回ったり。
とにかく、じっくりと4年もの時間をかけてツアーを敢行し、その結果ハードコアファンのプロップスを失わず世界中に多くのファンを獲得しました。

そして、そんな活動を続ける過程でプロモーターの目にとまり、2001年にはOZZFESTに出演。ハードコアシーンだけでなくメタルシーンにも名が知れ渡り、2002年にメジャー契約したうえで2nd Album『Perseverance』をリリース(これも名作!!)。
そこからは皆さんの方がご存知だと思います。
 私もHATEBREEDのやり方をNUMBでも実践したいと思い、長い間地道にライブやりました。しかしローカルから抜け出せず、いや、むしろ留まってしまい、さらにアルバム作りをサボりすぎて4年どころか10年以上リリースできませんでした……。後悔はしてないですけど(笑)。

ちなみに2nd Album『Perseverance』に収録されてる名曲「I Will Be Heard」はハリウッド映画「トリプルX」の挿入歌です。

実際、映画館に観に行った際に、この曲が流れたときは、つい体が動いてしまい本気でモッシュしたくなりました(笑)。

そんなHATEBREEDは2002年12月に行なわれた伝説のイベント「BEAST FEAST」で初来日を果たし、2005年の初単独ツアー東京場所ではNUMBで共演。もちろん言わずもがなライブは最高でした。フロアで鬼モッシュしたのはいい思い出です(笑)。
また、そのときWarp Magazineの企画でJameyと対談する機会をいたきだき「好きなバンドは何?」と彼に聞いたら、パンク、ハードコア、メタルごちゃ混ぜの計50バンドくらい挙げられてかなりパニくったのを覚えています(笑)。と、同時にJameyが聴いている音楽の幅広さにとても関心しました。やはり色々な音楽の要素がHATEBREEDに生かされているのだと確信できた瞬間でしたね。

初めての方はもちろん、久々に聴く方も絶対に熱くなれますので、チェックのほど、よろしくお願い致します。

まだまだ社会の情勢を考えると、色々苦しい状況が続きますがとにかくご安全に!
またライブハウスで会いましょう!


Selecter's Profile ![senta]

SENTA
東京を代表するハードコアバンドと言えばの2バンド、NUMBとEternal Bに在籍。NUMBではボーカルをEternal Bではギターを担当しているレジェンド。MERCHDIGを公言しているほどのマーチディガー、つまり、めちゃくちゃバンドTシャツのアーカイブを持っている。

https://www.instagram.com/senta76/
https://twitter.com/numb_thc

いかがでしたでしょうか、連載企画"ROCK CLASSICS SELECTIONS"。
HATEBREED、まったく身が引き締まるというか本当にカッコよさとは何かってことを教え続けてくれますね。
それでは、第4回目もお楽しみに!!
####ROCK CLASSICS SELECIONS ARCHIVE 

Vol.19 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - Descendents “Everything Sucks”(1996)
Vol.18 selected by SENTA - TURNSTILE “GLOW ON” (2021)
Vol.17 selected by Taishi Iwami - RED HOT CHILI PEPPERS “BLOOD SUGAR SEX MAGIK” (1991)
Vol.16 selected by Taishi Iwami - The Jesus And Mary Chain “ Psycho Candy”(1985)
Vol.15 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - LIMP BIZKIT "Significant Other"(1999)
Vol.14 selected by TAISHI IWAMI - The Vines "Highly Evolved"(2002)
Vol.13 selected by SENTA - SWITCH STYLE "....TO INFINITY"(1997)
Vol.12 selected by TAISHI IWAMI - Machine Gun Kelly "Tickets To My Downfall"(2020)
Vol.11 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - NOFX “Punk in Drublic”(1994)
Vol.10 selected by TAISHI IWAMI - The Music "The Music"(2002)
Vol.09 selected by SENTA - V.A. "NEW YORK'S HARDEST"(1995)
Vol.08 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - Korn “Korn”(1994)
Vol.07 selected by TAISHI IWAMI - Jet "Get Born"(2003)
Vol.06 selected by SENTA from NUMB - Madball “Set It Off”(1994)
Vol.05 selected by TAISHI IWAMI-GREEN DAY “Dookie”(1994)
Vol.04 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - blink-182 “Enema Of The State”(1999)
Vol.03 selected by SENTA from NUMB - HATEBREED / Satisfaction Is the Death of Desire (1997)
Vol.02 selected by TAISHI IWAMI - Matthew Sweet / 100% Fun (1995)
Vol.01 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - Rage Against the Machine / S/T (1992)