COLUMN

ROCK CLASSICS SELECIONS Vol.06 selected by SENTA

この世に数多溢れる名盤と呼ばれる音源の数々。このシーンにおいても、そんなキラキラ金ピカのままに輝き続けるロックのクラシックが存在するわけです。この連載企画"ROCK CLASSICS SELECTIONS"では、現在のシーンに繋がるパンク、ロック、ラウドの名盤を各セレクターにピックアップしてもらい、セレクターの思いと共にお届けしたい。このシーンが好きでCDショップやサブスクでもっとディグりたい! というアナタに捧げる名盤特集。最高のロックエクスペリエンスをどうぞ!
第6回目のセレクターはNUMBのVO. ETERNAL B のGu. Sentaによるセレクション。パンクの遍歴を辿り、このシーンにおける永遠のクラシックを取り上げる。

##Select ROCK CLASSICS ![setitoff]
###Madball “Set It Off”(1994)
####Recommend by Senta こんなご時世ですが、まだまだ予断を許さない状況です。 引き続き手洗い、ウガイ、除菌は徹底していきましょう。NUMBのVO. ETERNAL B のGu. のSentaです。よろしくお願いします。

さて、この度ご紹介するのは1994年 Roadrunner Recordsよりリリースされたアメリカ ニューヨークハードコアキング、Madballによる1st Full Studio Album 『Set It Off』です。




彼等がこのアルバムより以前にリリースした7インチEP『Ball of destruction』と『Dropin' Many Suckers』はもちろんチェックしてたのですが、まだ声変わりしてないほどに、とにかく若々しく(当時、彼らは10代前半)。
早くて荒削りで、デトロイトのネガティブアプローチ初期アグノスティックフロント直系のジャストハードコアな作品でした。
しかし、このアルバムは以前の2枚のアルバムとは異なり、素晴らしい内容と素晴らしいサウンドクオリティーでした。後に"90’s NEWYORK HARDCORE"の金字塔と呼ばれるようになり、多くのフォロワーバンドを生むキッカケにもなりました。

サウンドの特徴はバックメンバー、ベースのHoya以外はニューヨークハードコアレジェンド、アグノスティックフロント(Agnostic Front)黄金メンバーということもありメタリックでファスト&スラッシーな曲からヘビーグルーヴ、凶悪ブレークダウンパート。
そしてHIPHOPからの影響など。まさしく何でもアリの圧倒的なオリジナリティ、、、。これぞニューヨーク ハードコアといったようなサウンドです。

彼等の特徴はサウンドだけでなく、Vo. Freddyのアドレナリン全開の圧倒的なステージング。
アグノスティックフロントのVo. Rogerの実弟なので幼少期からアグノスティックフロントの客演等で場数を踏んでおり、まさにハードコアの英才教育を受けながら育まれた彼のステージパフォーマンスは圧巻です。
そして現在世界中のピットはもちろん、日本でも見ることのできるフロアーでのウィンドミル(腕ぶん回し)など、ハードなモッシュスタイルは彼の影響がとても大きいと思います。

ステージやフロアーでの縦横無尽なハードなモッシュやステージダイブに当時のヘッズは度肝を抜かされました。



当時発売された”NYHC DOCUMETARY”の中でもそのステージングを見ることができます。



さらに、このドキュメンタリーですが、当時初めてピットでのリアルなハードモッシュ映像が満載で、個人的にかなり衝撃受けました。
夜な夜な近所の公園に行って、この映像を観ながら練習したものです(笑)。
未だにこのスタイルには多大な影響を受けています。


近年はメタルコアやポップパンクのライブをはじめ、TRAPのライブでもハードなモッシュは起こりますよね。



とにかくモッシュがめちゃくちゃ好きな人には是非聴いて頂きたい作品です。

そんなMadballと何回か一緒にライブを演っていますが、やはり1997年初来日ショーはもちろん言わずもがなライブはキレっキレで最高でした。このとき、NUMBで共演させていただきましたが、フロアーで鬼モッシュどころか興奮しすぎて、ほぼ覚えていません(笑)。

現時点で、最後の来日ショーとなってる2009年のライブも凄まじかったす。もう2020年になっているわけなので、そろそろ日本にライブしに来て欲しいですね。
初めての方はもちろん、久々に聴く方も絶対に熱くなれるので、ぜひチェックをよろしくお願いします。

Selecter's Profile ![senta]


SENTA
東京を代表するハードコアバンドと言えばの2バンド、NUMBとEternal Bに在籍。NUMBではボーカルをEternal Bではギターを担当しているレジェンド。MERCHDIGを公言しているほどのマーチディガー、つまり、めちゃくちゃバンドTシャツのアーカイブを持っている。

https://www.instagram.com/senta76/
https://twitter.com/numb_thc



いかがでしたでしょうか、今回の"ROCK CLASSICS SELECTIONS"。個人的に屈強な漢のBGMというイメージがありまして、今でも筋トレのときにかけると胸筋が震えます。次回もお楽しみに!

それでは、次回もお楽しみに!!
####ROCK CLASSICS SELECIONS ARCHIVE 

Vol.19 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - Descendents “Everything Sucks”(1996)
Vol.18 selected by SENTA - TURNSTILE “GLOW ON” (2021)
Vol.17 selected by Taishi Iwami - RED HOT CHILI PEPPERS “BLOOD SUGAR SEX MAGIK” (1991)
Vol.16 selected by Taishi Iwami - The Jesus And Mary Chain “ Psycho Candy”(1985)
Vol.15 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - LIMP BIZKIT "Significant Other"(1999)
Vol.14 selected by TAISHI IWAMI - The Vines "Highly Evolved"(2002)
Vol.13 selected by SENTA - SWITCH STYLE "....TO INFINITY"(1997)
Vol.12 selected by TAISHI IWAMI - Machine Gun Kelly "Tickets To My Downfall"(2020)
Vol.11 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - NOFX “Punk in Drublic”(1994)
Vol.10 selected by TAISHI IWAMI - The Music "The Music"(2002)
Vol.09 selected by SENTA - V.A. "NEW YORK'S HARDEST"(1995)
Vol.08 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - Korn “Korn”(1994)
Vol.07 selected by TAISHI IWAMI - Jet "Get Born"(2003)
Vol.06 selected by SENTA from NUMB - Madball “Set It Off”(1994)
Vol.05 selected by TAISHI IWAMI-GREEN DAY “Dookie”(1994)
Vol.04 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - blink-182 “Enema Of The State”(1999)
Vol.03 selected by SENTA from NUMB - HATEBREED / Satisfaction Is the Death of Desire (1997)
Vol.02 selected by TAISHI IWAMI - Matthew Sweet / 100% Fun (1995)
Vol.01 selected by BONE$ aka Shuhei Dohi - Rage Against the Machine / S/T (1992)