SCENE by Photographer/Edit. Yukihide [JON...] Takimoto 04

2021/ 03/22 18:00

ライブハウスを記録するシーンの第一線で活躍するライブカメラマンたち。彼らがいなくては、その現場で何が起こっているのかが歴史として残らない。
SATANIC CARNIVALにおいても"SATANIC PHOTOGRAPHERS 写真展"が展示され、写真を楽しむことができる。だが、その1カット1カットには、フォトグラファーたちの思いがある。そのメッセージを写真だけではなく言葉でも知りたい。
この企画では、そんなシーンに関係するフォトグラファーに、この1枚の写真に、どんな思いがあるのか。語れる写真を紹介してもらう。
企画タイトルは"SCENE"。ライブ写真に限らず、風景や生き物、人や場所、彼らが撮影した写真群とメッセージを伝えていきたい。
今回はYukihide [JON...] TakimotoのSCENE、第4弾。テーマは"ライブの再開"。

SCENE by Photographer Edit.Yukihide [JON...] Takimoto 04

ライブの再開

まだかまだかと遠くを見つめあの人やあの人を想う

ライブの開催が形を変えて始まったマスクをして等間隔

ガイドラインに従い前にならえ
反骨精神の塊のパンクロックはどこに消えたんだろう
反発したい気持ちもあるが、そうも言ってられない状況なのか、状況だからか
あーー、思考はめぐりめぐり彷徨う今日

無観客でも有観客でもライブはライブだ
そう思ってた

2020年8月からカタチを変えて始まったライブを撮り始めました
たった数ヶ月で今まで当たり前だった環境がここまで様変わりするのかと

カタチを変えて始まったライブを何本か撮影してきて強く違和感を覚えたのは

発声出来ない　嬉しくても悔しくても

モッシュやダイヴと言ったバンドに対する体現的な表現が重要ではまったくなくて
発声と言う人間にとってなくてはならない表現方法を無理に絶たれたライブ会場に違和感を感じて
そんな中で撮影する僕は何か後ろめたい気持ちになっていった

そこに想いはあるのに声に出来ない辛さ
なんだかわからない感情に揺さぶられながらライブを撮っているのはとても窮屈で苦しい
と言うのもライブ中に唄いながら撮る僕は、タイミングを上手く合わせられず苦戦していた

そんな時にある人から、「とぼけて行こやー！」と言われて
割り切ってとぼけてみるけど違和感はまだ拭い切れず
「このまま、このままになるはずはない！」と思いながらも
まだまだコロナ禍の世の中を彷徨っている感覚である

感情と感情のぶつけ合いが
ぶつかり合わなくて
全力で届けたいアーティストと感情を溢れさせることが出来ないオーディエンスに挟まれた僕は
なんで撮影するのに自由に動いて撮っているのかわからないままライブを撮っています
なんなら僕も動けなくして欲しい

もう少ししたら変わるのかなあ？
笑いあって泣きあって素直なままのライブを
撮れることが今の夢です

そうも言ってられないのでガイドラインに従いながら
今は「とぼけて」撮影して行こうと思っています

春がきたらパッと咲いてみたいと

Photographer Profile
Yukihide [JON...] Takimoto

三重県伊賀市出身在住
2004年頃より家にあったカメラで写真を撮り始める。
写真が溢れる現代に現実離れした写真ではなくて、
ふと心に寄り添うような愛おしさや生々しさを、
時代に流されない様に写していくことをモットーに撮っている。

https://www.instagram.com/ninjajon/
https://twitter.com/NINJA_JON?s=20

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