SCENE by Photographer Vol.20 Edit. Kohei Suzuki 07

2021/ 12/26 18:00

ライブハウスを記録するシーンの第一線で活躍するライブカメラマンたち。彼らがいなくては、その現場で何が起こっているのかが歴史として残らない。
SATANIC CARNIVALにおいても"SATANIC PHOTOGRAPHERS 写真展"が展示され、写真を楽しむことができる。だが、その1カット1カットには、フォトグラファーたちの思いがある。そのメッセージを写真だけではなく言葉でも知りたい。
この企画では、そんなシーンに関係するフォトグラファーに、この1枚の写真に、どんな思いがあるのか。語れる写真を紹介してもらう。
企画タイトルは"SCENE"。ライブ写真に限らず、風景や生き物、人や場所、彼らが撮影した写真群とメッセージを伝えていきたい。
Kohei Suzuki、第7弾。テーマは、light/lighting。

SCENE by Photographer Edit. Kohei Suzuki 07

light/lighting

写真を撮る上で光は切っても切り離せないものである。
光と一言で言っても、様々な光がある。

太陽光、蛍光灯、白熱灯、ストロボのように瞬間的に強い光を放つもの。
LEDのように継続して明るく照らす定常光などなど。

性質、質感も様々。
逆光、順光、斜光、日向、日陰、朝陽、夕陽、季節、空気中の水分、硬い、柔らかい、冷たい、暖かい….
挙げればキリがない。

室内では、どんなイメージで、何を見せたいのか目的を持って、その為にはどう機材を使っていくか。
室外では、場所を選び、そこにある太陽光、更に足りない時には照明、レフ板等を使って光を足していく、もしくは削ぎ落としていくか。
それぞれの条件での、光の性質、質感を考えて、感じて、イメージと意図をもって撮っていく。

ただ色々撮影する中で、やはりライブ撮影は改めて特殊だなと思う。
スタジオでの、イメージと意図で光を作っていく撮影とはまた違った写真。

自分でライティングするわけでもなく、被写体の動きを指示するわけでもない。
自分たちの曲に合わせて動くバンド、曲に合わせて照明さんが作るライティング。
そこに自分なりに解釈して、動きを捉えて、構図、手法だったりで切り取る。
瞬間瞬間で変わっていく照明、被写体。
そこにライブ写真を撮っている中での一つの魅力を感じている。

自己満足の世界ではあるが、光をコントロール出来ず、動き続ける被写体を狙って撮る中でも、
『撮れた写真ではなく撮った写真』を撮っていきたいと思っている。
もちろん自分の範疇外の奇跡の瞬間に出会えるのもライブ写真の魅力ではあるが。

瞬間で動きを捉え、瞬間で光を捉える。

色々な条件で撮影していく中で、それぞれ考える所があり
神経を使う所、自分が大事にしたい所あるとは思うが、
その時々でいろんな光を楽しみながら、もっといろんな光を捉え、写真を撮っていきたい。

前に自分は影、黒が好きとコラムで書いた事がある。
やはり影が出来る為には光が必要なのである。
光がある所には影がある。
影がある所には光がある。

Photographer Profile
鈴木公平
フォトグラファー。宮城県塩竈市出身仙台市宮城野区育ち。橋本塁に師事し、ファッションメディアを撮影する仕事を経て現在はフリーランスとして活躍中。

https://www.suzukikohei.com/
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